Insider's EyeWindows XP RC1 日本語が登場――国内発売日は11月16日(金)。当面のマーケティング・ターゲットはコンシューマなるも、プレビュー・プログラムは企業ユーザーのみ―― |
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デジタルアドバンテージ 小川誉久 2001/08/02 |
マイクロソフトは、2001年7月31日にWindows XPに関する戦略記者発表会を開催し、Windows XP日本語版パッケージの店頭発売を11月16日(金)から開始すると発表した(マイクロソフトのニュースリリース)。すでに公表されているとおり、米国版の発売は10月25日で、これより約3週間遅れの発売となる。
この中でマイクロソフト(株)代表取締役社長の阿多親市氏は、ブロードバンド時代の到来を強調し、Windows XPを「ブロードバンド時代の新しいWindows」と位置づけた。ただし今回の発表は、発売日が初めて公表されたこと、Windows XPの拡販に関するマーケティング・プランが発表されたこと以外は、特に新しい情報はなかった。本稿では、発表されたマーケティング・プランを簡単に紹介するとともに、発表会で配布されたWindows XP Professional RC1日本語版をインストールし、気になった点を速報的にご紹介しよう。
Windows XP Professional RC1日本語版 |
記者発表会では、参加者にWindows XP RC1日本語版が配布された。製品化に向けたチューニングが進んでいるらしく、ベータ2から比べると、レスポンスが向上し、ユーザー・インターフェイスの細かい部分などが数多くブラッシュアップされていた。 |
パッケージ発売は11月16日。ただしプレインストール・マシンはベンダ次第
前述したとおり、Windows XPの発売日は11月16日と発表されたが、これはパッケージが店頭に並ぶ日であって、Windows XPプレインストール・マシンの発売がこの日に足並みを揃えるわけではない。マイクロソフトの説明によれば、「OEMベンダに対し、発売日を制約したりはしていない。ベンダごとに、製品販売の準備が整い次第、発売されるだろう」とのことだ。したがってベンダによっては、11月16日以前にWindows XP搭載PCが発売される可能性がありそうだ。またニュースリリースにあるとおり、64bit版のWindows XPについても、11月16日に同時出荷される模様である。
パッケージ価格は、現段階では未定である。今回のWindows XP発売にあたりマイクロソフトは、9月19日より開催されるWORLD PC EXPO 2001(日経BP社のイベント紹介ページ)をプロモーションの重点イベントと位置づけており、このイベントまでにはパッケージの価格体系を決定し、発表する予定だと説明した。
発売日まではコンシューマに、それ以後はビジネス・ユーザーに注力
先ごろ米Microsoftは、Windows XPの販売プロモーションに対し、全世界で総額10億ドル(米ドル)という空前の費用を投じると発表して話題となった(米Microsoftのニュースリリース)。このうち日本向けには、「数億円規模のプロモーションを予定している」(マイクロソフト(株)Windows製品部長 御代茂樹 氏)とのことだ。
Windows XP日本語版の発表が予定される11月中旬といえば、冬のボーナス商戦が火蓋を切る時期である。ここ最近のPC販売が苦戦しているのは、一説にはWindows XP待ちによる買い控えが影響しているとの意見もある。業績不振にあえぐPCベンダが、Windows XP効果による売上増に期待するのは当然のことだろう。こうした期待に応えるべくマイクロソフトは、Windows XPプロモーションの前半戦として、11月16日の発売まではコンシューマ市場に特化したマーケティング施策を展開する予定だ。広告展開としては、8月から順次、コンピュータ専門誌以外の一般誌、コンピュータ専門誌に広告を出稿し、米国での出荷が予定されている10月末から11月中旬の発売日までは、「新しいデジタル世紀の到来」を告知するテレビ・コマーシャルを展開するという。
前述したとおり、9月に開催されるWORLD PC EXPO 2001は、Windows XPのプレラウンチ(pre−launch)として位置づけられた重要なイベントである。このカンファレンスでは、米Microsoft社長 兼 最高執行責任者のリチャード・ベルーゾー(Richard Belluzzo)氏の来日が決定した。
8月10日には、今回マスコミ関係者に配布されたWindows XP RC 1日本語版をベースとするプレビュー・プログラムを開始する。このプログラムでは、5万個のWindows XP RC1 日本語版を提供する予定だ。ただし前バージョンのWindows 2000では、店頭や雑誌付録CDなどを使って、総計200万個の開発途中バージョンを一般ユーザーに大々的に配布したのとは対照的に、今回のWindows XPのプレビュー・プログラムでは、5万個と規模も小さく、対象も企業ユーザーに限定されており、一般ユーザーはプログラムに参加できない(Windows 2000発表当時のマーケティング・プランについては「Insider's Eye:マイクロソフト、日本語版Windows 2000の発売日、価格、マーケティングプランを正式発表」を参照)。つまり、広告プロモーションなどではコンシューマ・ユーザーをターゲットにするとしながらも、開発途中バージョンを実際に配布するプレビュー・プログラムは、企業ユーザーのみが対象になる。Windows 2000のプロモーションに大きな反省点でもあったのだろうか? 真意は不明である。
そして11月16日のWindows XPパッケージ発売以後は、ターゲットをコンシューマ・ユーザーから企業ユーザーに切り替え、2002年3月の期末に向かったビジネス市場での販売促進に注力するプロモーションの後半戦に望む。
関連記事(Windows 2000 Insider内) | |
マイクロソフト、日本語版Windows 2000の発売日、価格、マーケティングプランを正式発表 | |
Windows XP RC1で追加された新機能 | |
拡張されたエクスプローラのフォルダ表示機能 |
関連リンク | |
「Microsoft(R) Windows(R) XP」日本語版 2001年11月16日(金)に発売 に関するニュースリリース | |
日経BP社
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WORLD PC EXPO 2001(日経BP社のイベント紹介ページ) |
INDEX | ||
[Insider's Eye]Windows XP RC1 日本語が登場 | ||
1.チューニング・フェーズに入り、パフォーマンスはベータ2から向上 | ||
2.RC1に見るHailStorm始めの一歩 | ||
3.XPの真価はセキュリティ機能にあり? | ||
「Insider's Eye」 |
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