Insider's Eye

Windows XP RC1 日本語が登場

1.チューニング・フェーズに入り、パフォーマンスはベータ2から向上

デジタルアドバンテージ 小川誉久
2001/08/02

 以下では、記者発表会で配布されたWindows XP RC1日本語版をインストールして、ざっと触ってみた結果、気になった点について駆け足でご紹介していこう。なお時間の都合上、組織的・系統的な評価はまだ行っていないことをお断りしておく。あくまで、筆者がちょっと触って気になった点、としてご覧いただきたい。なおWindows XPベータ2からRC1での変更点については、別稿の「特集:Windows XPの正体――Windows XP RC1で追加された新機能」で網羅しているので参照されたい。

 Windows XP RC1を、インストールするための必要ハードウェア構成は、ベータ2までは「CPU Pentium-233MHz以上(またはそれに相当する性能を持つプロセッサ)」であったが、今回の発表ではこれに「300MHz以上のCPUを推奨」という情報が追加された。Windows XPを快適に使うためには、より高性能なPCが必要ということだろうか。RC1を触った感触では、製品化に向けたチューニングが施されたからか、ベータ2と比較するとかなりパフォーマンスは向上しているように思えた(開発途中バージョンであるため、厳密なベンチマーク・テストなどは行っていない。これについては製品版が出荷され次第実施する予定だ)。

 今回配布された日本語版RC1のビルド番号は、「2505」であった。すでに米国では、RC1の次バージョンであるRC2の関係者への配布が開始されている。手元にはまだ入手していないが、報道によれば、RC2英語版のビルド番号は「2526」とのことである。このRC2英語版については、MSDNサブスクライバー・ダウンロード(プロフェッショナル)において、ダウンロード・サービスが開始されている(MSDNのスタートページ)。

RC1日本語版のビルド番号は「2505」
米国では、すでにRC1の次バージョンであるRC2が関係者に配布されている。

ユーザー・インターフェイスのブラッシュアップ

 本サイトでは、すでに「Windows XPの正体」として、ベータ版をベースとするWindows XPの紹介記事を公開している(「Windows XPの正体」のインデックス・ページ)。この中で、Windows XPベータ2のエクスプローラについて解説した記事があったが(「Windows XPの正体:拡張されたエクスプローラのフォルダ表示機能」)、RC1では、一部エクスプローラの表示方法が変更された。

 前出の記事でご紹介しているとおり、Windows XPのエクスプローラでは、現在選択しているファイルの種類に応じて、実行可能な処理などがWebコンテンツ表示として、ウィンドウの左側のペインに表示されるようになっている。ベータ2では、ここでさらにディレクトリ・ツリー表示を選択すると、Webコンテンツ表示はそのままに、ツリー表示が追加されていた。つまり両方を表示すると、ツリーの表示ペイン、Webコンテンツの表示ペイン、ファイル一覧の表示ペインと、3つのペインが同時表示されるようになっていた。

 さすがにこれでは1つのペインが狭いという理由からか、RC1では、ツリー・ペインとWebコンテンツ表示ペインが選択的に表示されるように改められた。この切り替えは、ツール・バーの[フォルダ]アイコン・ボタンで行う。

Webコンテンツ表示を行い、フォルダ・ツリーを表示しない状態
RC1では、Webコンテンツ表示とフォルダ・ツリーが選択的に表示されるようになった。画面は[フォルダ]ボタンを押していない状態。
  フォルダ・ツリーのペインを表示するには、このボタンをクリックする。
  Webコンテンツ表示ペイン。右のファイル一覧から適当なファイルを選択すると、そのファイルの種類に応じたタスクなどがここに表示される。
 
[フォルダ]ボタンをクリックしてフォルダ・ツリーを表示する
上の状態からアイコン・ボタンの[フォルダ]をクリックすると、Webコンテンツ表示の部分にフォルダ・ツリーの表示ペインが表示される。形式としては、Webコンテンツ表示ペインの上にフォルダ・ツリー・ペインが重ねて表示された状態になる。
  このボタンをクリックすると、それまでWebコンテンツ表示がなされていた部分にフォルダ・ツリーのペインが表示される。
  表示されたフォルダ・ツリー・ペイン。形式としては、Webコンテンツ表示ペインの上に重なった状態になっており、右上の「×」マークをクリックするか、アイコン・ボタンの[フォルダ]を再度クリックすることで、ツリー表示を消去し、Webコンテンツ表示を復帰させることができる。

アニメーション効果を随所で駆使

 Windows XPでは、ユーザー・インターフェイス全般でグラデーションを使った立体表示やアニメーションなどが駆使されている。RC1では、最終的な製品版に向けて、ユーザー・インターフェイスの細部が各所でチューニングされ、こうしたコスメティックな部分もさらに磨きがかけられた。例えば、[スタート]ボタンから[終了オプション]を選択すると、[スタンバイ]や[電源を切る][再起動]などを選択できるダイアログが表示される。そのまましばらくほうっておくと、ダイアログの背景が徐々にグレースケール表示に変化していく。

[スタート]メニューの[終了オプション]を選択して、[コンピュータの電源を切る]ダイアログを表示したところ
このように当初は、ダイアログの背景は通常どおりに表示されている。しかしこのまましばらく待っていると……
 
背景がグレースケール表示に変化したところ
上の状態のまましばらくすると、背景の色が徐々にグレー表示になり、最後はこのように完全なグレースケール表示になる。このようなアニメーション手法は、ユーザー・インターフェイスのいたるところで活用されている。
 
関連記事(Windows 2000 Insider内)
マイクロソフト、日本語版Windows 2000の発売日、価格、マーケティングプランを正式発表
Windows XP RC1で追加された新機能
拡張されたエクスプローラのフォルダ表示機能
 
関連リンク
「Microsoft(R) Windows(R) XP」日本語版 2001年11月16日(金)に発売 に関するニュースリリース
日経BP社
WORLD PC EXPO 2001(日経BP社のイベント紹介ページ)

Windows XPの発売プロモーションに関する米Microsoftのニュースリリース

 

 INDEX
  [Insider's Eye]Windows XP RC1 日本語が登場
  1.チューニング・フェーズに入り、パフォーマンスはベータ2から向上
    2.RC1に見るHailStorm始めの一歩
    3.XPの真価はセキュリティ機能にあり?
 
「Insider's Eye」


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