Insider's Eyeコラム
2004/06/30 |
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Feature Packでは、Windows Server機能がWindowsサーバOS自体とは別の(柔軟な)スケジュールで提供されている。これらの機能は通常、専用のサーバ・ライセンスを取得しなくても利用できるが、適切なライセンスを取得したWindows Server上にしかインストールできない。また、Feature Packの1つであるWindows Rights Management Servicesを利用するには、専用のクライアント・アクセス・ライセンス(CAL)をクライアントごとに取得する必要がある。主要なFeature Packには次のようなものがある。
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●Windows Update Services(WUS)
WUS(旧称Software Update Services)は、Windows Updateを組織内(ファイアウォールの内側)でホストし、Windows
Updateサイトからのパッチのダウンロードと展開を自動化できるツールだ。WUSを使用するにはWindows 2000 ServerまたはWindows Server
2003が必要になる。WUS 2.0は、Windows、Exchange、Office、SQL Server、Visioをカバーする単一のパッチ配布システムを提供し、Microsoftの新しい総合的なパッチ配布Webサイトと連携して機能する。WUS
2.0は現在、非公開でベータテストが行われており、2004年末にリリースが計画されている。
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●Windows SharePoint Services(WSS)
WSSは、チームでドキュメントやデータを共有するためのWebサイトを構築できるサービスだ(WSSはもともと1999年にOffice 2000とともにOffice
Server Extensionsとしてリリースされた。後継バージョンがSharePoint Team Servicesと名付けられ、Office XPの特定のバージョンとともに提供された)。WSSの使用にはWindows
Server 2003が必要で、キーワード検索などの機能を利用するにはSQL Server 2000も必要になる。WSSは、SharePoint Portal
Server 2003を使用するのに必要であり、Project Server 2003でプロジェクト・ドキュメントの共有や、プロジェクト・ワークスペースとなるWebサイトのセットアップに利用される。今後のリリース計画は発表されていないが、Webホスティング・フレームワークであるASP.NET
2.0に基づくアップデート版が、Officeの次期リリースとともに登場しそうだ。Officeの次期リリースはLonghornクライアントに続いて投入される見込みだ。
●Active Directory Application Mode(ADAM)1.0
ADAMは、Windows Server 2003のシステム・レベルではなくユーザー・レベルで実行されるActive
Directory(AD)のインスタンスだ。ADAMにより、アプリケーションはADを、自身にのみ関連するIDデータを保存するサービスとして利用でき、そうしたデータをメインADデータベースに保存しないで済む。ADAMを使用するにはWindows
Server 2003が必要になる。
●Automated Deployment Services(ADS)1.0
ADSは、ベアボーン・マシンにサーバ・イメージを展開するための新しいイメージング・ツールとインフラを提供する。Microsoftは、このFeature Packをアップグレードして、WindowsクライアントOSのイメージの展開をサポートすることを決断するかもしれない。ADSはライセンスを取得したWindows
Server 2003 Enterprise Edition上にのみインストールできる。
●グループ・ポリシー管理コンソール(GPMC)1.0
このツールは、管理者がActive Directoryとグループ・ポリシーを使ってWindowsクライアントを管理する方法を理解する助けになる。GPMCは無料だが、Windows
Server 2003上での利用に限ってライセンスされている。Microsoftがライセンス・ルールを変更してGPMCをWindows 2000 Server上でも利用できるようにすることもあり得る。
●Identity Integration Feature Pack
このFeature Packは、システムの相互運用を支援する製品であるIdentity Integration Serverのサブセットであり、AD、ADAM、Exchange
2000または2003の間でのIDデータ管理に機能が限定されている。Exchangeデータをフォレスト間で同期する場合に特に便利だ。このFeature Packを使用するにはWindows
Server 2003が必要になる。
●Windows Rights Management Services(RMS)
このサービスと、対応したWindowsクライアント・コンポーネントを使えば、ユーザーはドキュメントやメッセージに制限(「印刷不可」など)を設定し、アプリケーションによって制限が確実に強制されるようにすることができる。RMSを使用するにはWindows
Server 2003が必要になる。専用のサーバ・ライセンスは不要だが、専用のCALがクライアントごとに必要だ。このライセンス方式はターミナル・サービスに似ている。
●Windowsシステム・リソース・マネージャ(WSRM)1.0
WSRMサービスにより、組織はサーバ・リソース(主にメモリとCPU)を特定のアプリケーションに割り当てることができる。現行バージョンでは、システム管理者は複数のアプリケーションが同じサーバでホストされている場合に作業負荷を管理できるほか、許可されている数のCPUだけを使用するようにアプリケーションに制限をかけることもできる。このサービスを使用するにはWindows
Server 2003 Enterprise EditionまたはDatacenter Editionが必要になる。
INDEX | ||
Insider's Eye | ||
Longhorn Serverへの最新OS戦略(前編) | ||
コラム Windows Server Feature Packの特徴 | ||
コラム Windows OSのサポート状況 | ||
Longhorn Serverへの最新OS戦略(後編) | ||
コラム 新しい製品サポート・ライクサイクル・フェーズ | ||
コラム Windowsロードマップの概要 | ||
「Insider's Eye」 |
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