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Windows MessengerとMSN Messengerの違い
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解説 |
リアルタイムに文字で会話するというチャットから発展したインスタント・メッセージング(IM:Instant Messaging)は、音声通話やファイル転送などの機能拡張を経て、現在ではリアルタイム・コミュニケーション用ソフトウェアとして位置付けられるようになった。会話レベルのコミュニケーションだけでなく、ビジネス用のコミュニケーション・ツールとしても活かそうという取り組みが進みつつある。このIM用ソフトウェアとして、マイクロソフトが提供するソフトウェアがWindows MessengerとMSN Messengerだ。文字によるチャットや音声通話、ビデオ通話、ファイル転送などの機能面では、どちらもほぼ同等の機能を提供しており、両者でメッセージを交換することも可能である。ユーザーの中には「どうして似通ったアプリケーションが別々の名前で提供されているのか?」と疑問に思っている人もいるだろう。基本機能は似通っているが、設計目標や想定される用途は大きく異なっている。ここでは、両者の基本的な違いについて簡単にまとめておく。
Windows Messengerとは?
Windows Messengerの初期版(Ver.4.0)は、Windows XPに標準搭載されて出荷された。つまり当初のWindows Messengerは、Windows XP専用のIMソフトウェアだった。しかしその後公開されたバージョンアップ版では、Windows XP以外のOSにも対応された。原稿執筆時点での最新版はVer.5.1で、これはWindows 2000 SP4、Windows Server 2003、Windows XP(SP1/SP2)、Windows XP Tablet PC Editionに対応している。
MSN Messengerとは?
Windows Messengerに対し、Windows XP以外のOS向けに開発され、インターネットで無償公開されたのがMSN Messengerである。Windows XP以外のユーザーは、このMSN Messengerをダウンロードしてインストールすることで、他のMSN Messenger/Windows Messengerユーザーとインスタント・メッセージの交換が可能になった。
当初はWindows XP以外のOS向けに開発されたMSN Messengerだったが、Ver.5.0からはWindows XPにも対応した(原稿執筆時点での最新版はVer.7.0)。これによりWindows XPユーザーは、標準搭載されたWindows Messengerを使ってもよいし、必要なら、インターネットからダウンロードしたMSN Messengerをインストールして使用することも可能になった(ちなみに、1台のWindows XPであっても、異なる.NET Passportアカウントを使えば、Windows MessengerとMSN Messengerを同時に起動することはできる)。
両者の違いは?
前述したとおり、文字チャットや音声通話、ファイル転送、ホワイトボード共有、アプリケーション共有など、いくつかの基本機能にはどちらも差がない。しかしマイクロソフトが想定する両者の用途は大きく異なっている。結論からいえば、Windows Messengerはビジネス用途、MSN Messengerはコンシューマ用途に位置付けられており、メッセージ交換以外の機能を見ると、違いが明確になる。
Windows Messenger | MSN Messenger | |
バージョン*1 | Ver.5.1 | Ver. 7.0 |
提供方法 | Windows XPに標準搭載/インターネットから無償ダウンロード | インターネットから無償ダウンロード |
対象OS | Windows 2000/Windows XP/Windows XP Tablet PC Edition/Windows Server 2003 | Windows 98/Windows 98 SE/Windows Me/Windows 2000/Windows XP/Windows XP Tablet PC Edition |
IM通信テキストの暗号化 |
○*2
|
×
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Office Live Communications Server 2005との通信 |
○
|
×
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Officeアプリケーション/SharePoint Servicesとの連携(在籍確認) |
○
|
×
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Windows MessengerとMSN Messengerの比較 | ||
*1 原稿執筆時点(2005年5月現在)での最新版。 *2 MSN Messengerとの通話は暗号化されない。 |
表から分かるとおり、Windows Messenger 5.1がWindows 2000以降のOSにしか対応していないのに対し、MSN MessengerはWindows 98などの古いWindowsもサポート対象に加えている。コンシューマ用途では、まだこれらの古いWindowsのユーザーが存在するということだろう。
ビジネス用途という観点で見た違いの1つはIM通信テキストの暗号化機能だろう。MSN Messengerでは、IMテキストのすべてが暗号化されず平文で送信されるため、経路途中の第三者が送信内容を見ることができてしまう。その点、データが暗号化されていれば、途中でデータが盗まれても、簡単には中身を確認することはできない。ただしWindows Messengerを使っている場合でも、相手がMSN Messengerの場合には通信は暗号化されないので注意が必要である。
Windows Messengerのもう1つの特徴は、マイクロソフトが提供するコミュニケーション・サーバ製品(Office Live Communications ServerやSharePoint Services)との通信機能が備わっていることだ。これらのサーバ製品を利用している企業ユーザーは、クライアント・ソフトウェアとしてWindows Messengerを利用することになる。
表には示していないが、対するMSN Messengerには、Windows Messengerにはないゲーム機能などが提供されている。
繰り返しになるが、仕事に使う目的で開発されたものがWindows Messenger、個人のレクリエーションを目的として開発されたものがMSN Messengerと理解すればよい。
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