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仮想マシンの実行優先度を調整する(Virtual PC 2004編)

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2006/06/03
 
対象ソフトウェア
Virtual PC 2004 SP1
仮想マシン・プロセスの実行優先度は、デフォルトではフォアグラウンド・アプリケーションと同じになっている。
だがこのままだと、フォアグラウンド・アプリケーションのパフォーマンスが下がったり、応答が遅くなって操作性が悪くなるので、仮想マシンの優先度を下げるとよい。
優先度を下げるには、タスク・マネージャのプロセス・タブで[通常以下]に設定する。
 
解説

 Virtual PC 2004やVirtual Server 2005を使って、仮想マシンを稼働させる場合、仮想マシン内での処理負荷が高いと、ホスト・システム上で動作している(仮想マシン以外の)フォアグラウンド・アプリケーションの動作にも影響を与え、処理速度が低下する。特にビジネス・アプリケーションやWebブラウザなどのように、GUIのユーザー・インターフェイス操作が必要なものはその影響を大きく受け、応答が遅れ、スムーズに操作できなくなる(何か「引っかかる」ような感じになる)などの症状が現れる。マルチプロセッサ・システム(デュアル・コア・プロセッサやハイパー・スレッディングなども含む)ならばその影響を最小限に抑えることも可能であるが(フォアグラウンドのCPUと仮想マシンのCPUが別々に処理を担当できるため)、2つとかそれ以上の仮想マシンを同時に利用していると、やはりその影響は避けられない。

 このような場合は、仮想マシンの実行優先度を下げれば、フォアグラウンドのアプリケーションに対する影響を低減できる。仮想マシンに対するCPU時間を削減するのではなく、実行優先度を下げるだけなので、フォアグランド・アプリケーションのCPU時間が不必要に制限されることがなく(仮想マシンが忙しいからといって、フォアグラウンド・アプリケーションが制限されることなく)、快適に利用することができる。またフォアグラウンド・アプリケーションがアイドルもしくはそれに近い状態の場合は、バックグラウンド(この場合は仮想マシン)アプリケーションがCPU時間を占有することができるので、仮想マシンの最大パフォーマンスが制限されることもない。

 本TIPSでは、Virtual PC 2004 SP1(以下VPC2004)における、仮想マシンの実行優先度の下げ方について解説する。Virtual Server 2005については、今後別TIPSで取り上げる。

操作方法

 VPC2004で実行中の仮想マシン全体の実行優先度を下げるには、[タスク マネージャ]でVPC2004のタスク(Virtual PC.exeプロセス)を選択し、実行優先度の設定を1つ分下げればよい。

 VPC2004のタスクを素早く見つけるには、[タスク マネージャ]でVPC2004のタスクをどれでもよいから1つ選択し、ポップアップ・メニューの[プロセスの表示]を選択する。

VPC2004のプロセスの見つけ方
VPC2004のプロセスを見つけるには、[プロセス]タブで探せばよい。だがプロセスが多くて面倒ならば、[アプリケーション]タブでVPC2004のアイコンを右クリックし、[プロセスの表示]を実行する。
  このタブを選択する。
  VPC2004の管理コンソールでもよいし、仮想マシンのタスクでもよいので(VPC2004の実行ファイルは1つしか存在しない)、どれか1つを選択して、右クリックする。
  これを選択すると、[プロセス]タブにあるVPC2004のタスクが表示される。

 [プロセス]タブでVPC2004のプロセス(Virtual PC.exe)が表示されたら、その優先度の設定を「通常以下」にする。

VPC2004プロセスの優先度を下げる
VPC2004のプロセス(Virtual PC.exe)の優先度を下げ、「通常以下」に設定する。
  [プロセス]タブを選択する。
  Virtual PC.exeというプロセスが選択されていることを確認する。もしくは[プロセス]タブでこのプロセスを直接選択してもよい。
  優先度をデフォルトの[通常]から[通常以下]に下げる。

 以上で設定は終了である。フォアグラウンド・アプリケーションには優先的にCPU時間が割り当てられ、その動作が制限されることなく利用することができる。

 なおVPC2004自体にも、アプリケーションの実行優先度を設定する機能があり(VPC2004管理コンソールの[ファイル]−[オプション]にある[パフォーマンス]で設定する)、デフォルトではVPC2004のCPU使用時間が50%に制限されることになっている。だが実際の使用感では、ここで紹介した優先度を下げる方法の方がフォアグラウンド・アプリケーションはスムーズに操作できるようである。

VPC2004起動時の優先度の変更

 プロセスの優先度を後で変更するのではなく、VPC2004の起動時から優先度を下げておきたい場合は、VPC2004の起動メニュー(ショートカット)でプロセスの優先度を下げておけばよい。プログラムの起動ショートカットで実行優先度を指定する方法については、「TIPS―起動するプログラムの優先度を変更する方法」を参照していただきたいが、コマンド・プロンプト上で「start /belownormal <実行ファイル名>」と指定すればよい。ただしstartコマンドはコマンド・プロンプト(cmd.exe)の内部コマンドなので、ショートカットに登録するためには、「cmd /c start /belownormal <実行ファイル名>」とする必要があるし、「<実行ファイル名>」は8.3形式の短い名前で指定しなければならないという制約もある。8.3形式の短い名前は実際のシステム環境によっても異なるが(「dir /x」コマンドで確認すること)、手元のマシンの場合だと次のようになる。

C:\>cmd /c start /belownormal C:\PROGRA~1\MI7A94~1\VIRTUA~1.EXE

 これをVPC2004の起動ショートカット(リンク先)として登録しておけばよい。End of Article

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