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ネットワーク・モニタでコンピュータ名を定義する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2006/11/18
 
対象ソフトウェア
ネットワーク・モニタ2.x
ネットワーク・モニタを使うとパケットをキャプチャして解析することができるが、デフォルトではMACアドレスやIPアドレスがそのまま表示され、分かりづらい。
これらのアドレスに対して名前を追加定義しておくと、解析結果が名前で表示され、分かりやすくなる。
名前を登録するには、1度パケットをキャプチャしてから名前情報を編集するとよい。
キャプチャ・データから自動的に収集させることもできる。
 
解説

 WindowsのサーバOS(Windows 2000 ServerやWindows Server 2003)やSMSサーバ(Systems Management Server)に付属する「ネットワーク モニタ」を利用すると、ネットワーク上を流れるパケットをキャプチャして解析することができる。ネットワーク関係のトラブルシューティングを行うためには欠かせないツールである。

 ネットワーク・モニタでは、キャプチャしたパケットの内容を解析して分かりやすく表示するが、ネットワーク・アドレス部分に関しては、デフォルトではバイナリ値のまま表示する。例えば、イーサネット・パケットのアドレス部分にあるMACアドレス(イーサネットの場合は6bytes)を、分かりやすい名前ではなく、16進数で「000D60AFDE5C」というふうに表示する。またIPパケット中のIPアドレスに関しても、名前ではなく「192.168.1.2」というふうに、IPアドレスを4つの10進数値で直接表現する。

 だがこれでは人間には分かりづらいので、SERVER1やPC2といった、名前(コンピュータ名)で表示されると便利である。このためには、MACアドレスやIPアドレスに対して、名前を表す文字列を割り当てて定義すればよい。名前を割り当てると、分かりやすくなるだけでなく、例えば「フィルタ機能」を利用することもできる(ネットワーク・モニタでは名前を割り当てないとフィルタリングできない)。本TIPSでは、この名前を付ける方法について解説する。

 なおネットワーク・モニタには、SMSに含まれるフル機能版と、Server OSに含まれるサブセット版の2種類がある。それらの違いや、より詳しいネットワーク・モニタの使い方などについては、次の記事も参照していただきたい。

操作方法

アドレスに対して名前を定義する

 MACアドレスやIPアドレスに対して、分かりやすい名前(コンピュータ名やホスト名などとも呼ばれる)を付けるためには、ネットワーク・モニタの「アドレス データベース」に、アドレスとその名前を登録する必要がある([キャプチャ]メニューの[アドレス]で表示される)。

ネットワーク・モニタのアドレス・データベース
MACアドレスやIPアドレスと、それに対応するコンピュータ名はこのアドレス・データベースに登録されている。これはネットワーク・モニタ起動直後のデフォルト状態のアドレス・データベース。固定的な名前のほかは、自分自身の名前(一番下の3つ)だけが登録されている。
  定義された名前。先頭に「*」が付いているものは固定的な名前(「*」は分かりやすくするために付けられているだけであり、特に意味はない)。一番下の3つは自分自身のIPアドレスやMACアドレス。
  数値で表現されているアドレス値。プロトコルによって表現方法は異なる。
  アドレスの種類。IPアドレスやイーサネットのMACアドレスなどがある。
  コメント。「ローカル コンピュータ」は自分自身を表している。
  新しいエントリを追加登録するにはこれをクリックする。
  エントリの内容を編集するにはこれをクリックする。

 デフォルトでは、ブロードキャスト・アドレスなどの固定的な名前のエントリと、自分自身を表すエントリのみが定義されている。それ以外のアドレスには名前は付けられておらず、解析結果では単に数値でのみ表現される。

キャプチャしてから名前を定義する

 アドレス・データベースにエントリを追加するには、上の画面の をクリックして、手動で追加してもよいが、実際にはこれは面倒である。いちいちアドレス情報や名前をすべて正確に指定しなければならないからだ。実際には、まずパケットをキャプチャし、解析結果の表示画面([キャプチャ]−[キャプチャ データの表示]メニュー)で、該当するアドレス部分を右クリックし、そのエントリを編集するのが簡単でよい。

新しいアドレスの定義
アドレス・データベースに新しいエントリを追加するには、1度パケットをキャプチャし、それを元に追加編集すると簡単である。アドレス部分の入力を省略できるからだ。
  下位プロトコルの送信元アドレス(MACアドレス)。
  下位プロトコルのあて先アドレス(MACアドレス)。
  上位プロトコルの送信元アドレス(IPアドレス)。
  上位プロトコルのあて先アドレス(IPアドレス)
  定義したいアドレス部分を選んで右クリックする。これは「0050……」というMACアドレスを定義しようとしているところ。
  ポップアップ・メニューから[アドレスの編集……]を選んで、名前を割り当てる。
  IPアドレスに名前を付ける場合は、これを右クリックする。MACアドレスとIPアドレスのそれぞれに別の名前を付けることもできる(通常は同じ名前を付ける)。

 上記画面の を選択すると、次のようなダイアログが表示されるので、定義したい名前を入力する。

アドレス情報の編集
先ほどの画面で[アドレスの編集……]を選択すると、このようなダイアログが表示されるので、名前を入力する。
  ここにアドレスに対応する名前を入力する
  割り当て対象のMACアドレス(もしくはIPアドレス)。この部分は自動的に指定されているので、いちいちユーザーが入力する手間が省けるし、入力ミスの可能性もない。
  これをクリックすると、アドレス・データベースに登録される。

自動的に名前を検索して追加する

 手動で登録する以外に、キャプチャしたパケット中の名前解決パケットから情報を収集し、自動的にアドレス・データベースに登録する方法もある。多数のコンピュータが存在する場合はこの方法が便利である。このためには、(なるべく多くの名前情報が収集できるように)ある程度多量の通信パケットを収集しておいてから、次のメニューを実行する。

名前情報の自動登録
キャプチャしたパケット中から名前解決の情報を探し、それを基にして自動登録する。
  これを実行する。

 このメニューを実行すると、現在キャプチャされたパケットの中から、名前解決関連のパケットを探し出し、現在のアドレス・データベースに追加登録する。ただしすべての名前を見つけることができるわけではなく、例えばルータで接続された、ほかのネットワーク上の名前などは見つけられないようである。不足する部分は、手動で対応する必要がある。

 なおDHCPなどを使って動的にIPアドレスを割り当てている場合は、定義済みのアドレス情報の内容が実際のIPアドレスとは異なっていることがある。キャプチャしたパケットを解析する場合は、注意していただきたい。End of Article

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