Office XPのXML度を探る
新野淳一
@IT編集局
2001/6/21
Office XP各製品のXML機能概要 |
マイクロソフトは同社の.NET戦略の中で、今後積極的に製品をXMLに対応させていくとしている。既に@ITでは、「.NET Enterprise ServersのXML度を探る」という記事を2000年12月に掲載し、同社のサーバアプリケーション群のXML機能について解説した。今回の記事では、登場したばかりの同社のオフィスアプリケーション「OfficeXP」について、新しくサポートされたXML機能を解説していこう。
Office XPでは、ユーザーインターフェイスの強化や、情報共有の機能強化などと並んでXMLのサポートが行われた。ただし、今回のXML機能はすべてのオフィス製品に組み込まれた訳ではなく、ExcelとAccessに集中している。マイクロソフトはその理由として、「AccessとExcelが、最も大きな影響をXMLから受けるため」だとしている。
そこで、まずはOffice XPを構成する主な製品が、どのようなXML機能を持つのか、表にまとめてみた。
製品名 | 主なXML関連機能 |
Excel 2002 | XML文書のインポートと、XML Spreadsheet Schema形式でのエクスポートなど |
Access 2002 | XML文書のインポートとエクスポート |
Word 2002 | 特になし(ただし、米国ではワードの文書をXML文書へエクスポートするツールなどが紹介されている) |
Internet
Explorer |
MSXML3が導入され、最新のXML仕様に対応 |
ExcelとAccessにXML機能が集中したことは、Office XPでXMLをサポートするにあたって同社が重要だと考えたのが主にXMLによる定型データの交換であることを示している。Wordで作成する文書や、PowerPointで作成するプレゼンテーションのような非定型データのXML化は行われていない。これはちょうど、.NET Enterprise ServersのXML機能がSQL ServerとBizTalkを中心に実装され、BtoBを意識してサポートされているのに呼応するようだ。
また、上の表にあるInternet Explorerは正確にはOffice XPの一員ではない。しかし、OfficeXPの導入でInternet ExplorerのXML機能にも大きな影響がある(それがOffice XPの一員ではない点が皮肉だが)ため、あえて表に記した。
では次のページから、それぞれのXML機能をチェックしていくことにしよう。
XML機能の核、「MSXML3」 |
Index | |
Office XPのXML度を探る | |
Office XP各製品のXML機能概要 | |
XML機能の核、「MSXML3」 MSXML3が自動的にインストールされる Internet Exlorerはバージョンアップしないが…… XML普及の弾みがつくか |
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ExcelのXML機能は使えるか Excel以外のアプリケーションでExcelのデータ分析ができる XML文書にスタイルシートを適用する場合 XML文書を読み込む コラム Excelで読み込めるXML文書を作ってみる XML文書の出力 そのほかのXML機能 |
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XML Schemaに早くも対応したAccess テーブルの内容をエクスポート スキーマ情報をXML Schemaで記述 フォームやレポートもXML形式で出力 XML文書をインポートでテーブル化 AccessのXML機能のまとめ |
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開発環境もXML対応へ IntelliSenseがXML対応 Office XP:どれもすぐ使えるXML機能 |
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