日本IBM、NUMA-QでマルチOS環境を実現
2000/11/30
日本アイ・ビー・エムは、IA(インテル・アーキテクチャ)サーバ「NUMA-Q」上で、複数のOSを運用可能なプラットフォームを稼働させるエミュレーション・ソフトウェア、「NUMA-Q S/390環境」を発表した。
NUMA-Qは、同社の「e-server」シリーズのうちIAを採用した「xSeries」の上位機種にあたり(10月5日付け「「AS400」「Netfinity」などの名称が消滅、 IBM、全サーバ共通のブランド名を発表 」参照)、プロセッサテクノロジーにCC-NUMAを用いたサーバ。IAの採用により優れたコストパフォーマンスと拡張性を実現、ファイバーチャネルSANの採用によりメインフレームと比較しても遜色ない堅牢性をもつという。
NUMA-Qを採用した大型サーバ「NUMA-Q 2000 E41」 |
今回発表したNUMA-Q S/390環境では、サーバ内のプロセッサを分割することにより、LinuxやWindowsなど複数のOSを同一システム上で運用させる環境を実現した。
NUMA-Q S/390環境は最大3個のIntel Pentium III Xeon 700MHzプロセッサ上で稼働し、処理速度は1CPUで約12MIPSという。従来のS/390の環境をUNIXベースのOSであるPTX上で実現する。これにより、同社の汎用OSであるOS/390、VM/ESA、VSE/ESAなどのアプリケーションを1台のマシンで動かすことができる。同社NUMA-Q事業推進担当の宮喜彦氏によれば、これまでのS/390アプリケーションとの互換性は100%で、価格は3分の1におさえられるという。今後、Linux、Windows 2000 DataCanter Serverへ対応する予定だ。
ストレージ製品では、同社製品のほか、EMCなど他社製品にも対応するという。テープ装置やプリンタなどの入出力装置に関しては、パラレルチャネルのアダプターを提供する。
IA市場は成長が見込まれており、市場規模で見ると、2004年にはIA市場がRISCとCISCをあわせた市場を逆転するという予測結果も出されている。日本IBMでは、IAサーバ製品群「xSeries」でこの市場に積極的に取り組んで行く。「今後18カ月でIA-32、(来年発表予定の)IA-64も含め、製品ラインを拡充し、リーダーシップをとる」と宮氏は述べている。
販売目標は70〜80システム程度。年内に案件のあった約5件に出荷し、本格的な出荷開始は2001年第1四半期から。
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