苦悩するノベル、買収による改善を期待
2001/3/16
(03/13/01, 9:21 p.m. ET) By Meg Walker, TechWeb
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米ノベルの新CEO、Jack Messman氏は来週、毎年開催している技術カンファレンス、「BrainShare 2001」でカスタマーやパートナーを前に講演する。ネットワーキングソフトウェア会社であるノベルがパワフルに再生するためのお膳立てをするものと思われる。
だが問題なのは、ノベルによるCambridge Technology Partnersの買収計画発表から一夜明けてもこの新会社の詳しい内容を知る者が1人もいないことだ。Messman氏は1999年からCambridgeで社長兼CEOを務めてきた。
「Messman氏はノベルを強化するという任務を背負っている。これは同氏のキャリアの中でも最も困難な仕事になるのではないか」とあるアナリストは見ている。ノベルの今回の買収は、自社同様、低下の一途をたどる売上高や株価に悩むコンピュータコンサルティング会社が対象だからだ。
「不採算組織の合併」
「失敗する可能性が高いと思う」と言うのはHurwitz Groupの社長で市場調査を専門にするJudith Hurwitz氏。「まず買収ありきで、取り組み内容は後からついてくる計画に思える。問題は、ノベルがコンサルティング会社ではないことだ。どうやって統合するつもりだろうか?」
ノベルは、3月12日に行った電話会議の中で当初2億6600万ドル相当だった株式交換によるCambridge Technology Partnersの買収計画を発表した。この買収は、Cambridgeの株主から正式な承認を得る必要がある。これが実現すれば、ノベルの社員は8600人へとほぼ倍増することになり、Cambridgeの持つ世界19カ国の拠点も取得することになる。
4年間ノベルのトップに君臨し、今後は会長兼チーフストラテジストとなるEric Schmidt氏はアナリストに対し、「これは自然な組み合わせだ」と語った。コンサルティングサービスによるノベルの売上高は5%から30%に伸びると同氏は予想している。Schmidt氏はこれまでノベルの取締役を務め、1982年から1983年まではノベルの社長兼CEOも務めていた人物だ。61才のMessman氏は後継者として指名するのに最適だ、とSchmidt氏はいう。
両社ともかつては人気のハイテク企業だった。Safeguard Scientificsの創業者であるPete Musser氏から初期に出資を受けたこともある。
少なくとも1人のアナリストはSchmidt氏に同意し、前向きの流れを感じ始めているようだ。クライアントのドット・コム企業が破産する中、大半の技術コンサルティング企業は壁にぶち当たっている。SunTrust Equitable Securitiesのアナリスト、William Becklean氏によると、ネットワーキングソフトウェアで有名なノベルの一部になることは、Cambridgeにとっては良いことだという。
「倒産する企業もあるだろうし、他社と合併しなければならない企業もあるだろう。だがCambridgeは優良カスタマーのいる国際的なクライアントベースを獲得した」(Becklean氏)Messman氏は投資銀行家として活躍したほか、Warner Amex Cable Communicationsの上級管理職も務めた。さらに、Union Pacific Resources GroupやU.S Pollution ControlでもCEOを務めている。
だがAdams, Harkness & Hillのアナリスト、Joe Buttarazzi氏によると、Cambridge TechnologiesでのMessman氏については評価が分かれるという。
Buttarazzi氏は、Cambridgeは1999年の第4四半期、同社史上初めての赤字を計上して以来、ついに四半期決算の予想を達成することはなかったことを取り上げる。必要とされた管理コントロールは導入したものの、Messman氏は社の財務状況が下降を始めたときにてこ入れを行うことはできなかったという。ノベルはサービス企業へと「一気に進化」したかったかもしれないが、「問題だらけという状況を抱えていることも確か。Cambridgeは非効率的だし、コンピュータサービス企業は一般的に積極的なコスト削減にはうまく対応できない」という。
ノベル自身も社内に問題を抱えている。ここ数年、NetWareのマーケットシェアをMicrosoftのWindows NT/2000に奪われてきた。同社の株式は昨秋以来10ドル以下で取り引きされており、43ドルまで上昇した昨年の2月と比べると、その価値は80%以上も下がった。
「2社の不採算組織が合併するようなもの、というのがほかのトレーダーから聞く話だ。これがうまく行く見通しはあるのだろうか?――チャンスは低い」(Buttarazzi氏)
Buttarazzi氏は、買収発表後にCambridgeの格付けを「売り」へと引き下げている。また、Lehman BrothersもCambridgeの格付けを「買い」から「市場平均」へと引き下げた。
アナリストのK. Keirstead氏はリサーチのメモの中に、「ITサービス業界で合併が成功するのはまれ。ソフトウェア会社とITサービス会社の合併には良い前例がない」と書いている。
Messman氏からこの件に対するコメントは得られなかった。
Cambrideの広報担当上級副社長、Gary Schuster氏によると、Messman氏の計画の中で最初に来る項目の1つは4600万ドルのコスト削減だという。削減する場所についてはまだ判断が行われていないが、「重複する不動産がまず思い浮かぶ」と同氏は述べている。
2つ目の買収はディレクトリ・ソフトウェア
Cambridgeの買収計画発表の2日後の3月14日、ノベルは新たな買収計画を発表した。次なるターゲットは米Novetrix、ディレクトリ・ベースのソフトウェアベンダーだ。ノベルの買収関連の発表としては、今週に入り2つ目となる。詳細についてはまだ明らかにされていない。同社は同日、新製品「ノベル OnDemand Service 1.5」も発表。企業がインターネット経由で従業員やビジネスパートナー、カスタマーにアプリケーションやコンテンツを提供できる技術だ。
ノベルは3月18日から6日間、米ソルトレークシティで開催する「BrainShare 2001」で、「NetWare 6.0」、「GroupWise 6.0」を発表することになっている。
*この記事は一部編集しています。
[英文記事]
Struggling
Novell Hopes For Boost In Acquisition
[関連リンク]
ノベル
ノベルの発表資料(Cambridge
Technology Partners買収)(英語)
ノベルの発表資料(Novetrix買収)(英語)
ノベルの発表資料「ノベル
OnDemand Service 1.5」(英語)
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