初のJava対応PDA、ザウルスにJavaを採用

2001/3/24

 シャープは、通信端末の共通ソフトウェア環境として、米サン・マイクロシステムズのJava技術を採用すると発表した。

MI-E1でのJavaによるゲームの実行例

 同社取締役通信システム事業本部長 坂井陽一氏は、「今後一人が複数の通信端末(携帯電話、PDA、ファックスなど)をオフィスや家庭で活用していくことになり、それらをシームレスに連携する必要性がある」と述べた。そして、それを実現するための手段としてJavaを採用したという。

 また、JavaをPDAソフトウェアの世界戦略の軸として位置づける。海外向けのPDAでは、OSにはLinux、アプリケーション開発にはJavaを採用し、オープン性を高めていく。

 国内では、これまでのソフトウェア資産があるため、OSとしては従来通りザウルスOSを採用するが、アプリケーションにはJavaを取り入れることでオープンな世界への第一歩を踏み出す。

 その第一弾として、「Zaurus用ソフト実行環境(for PersonalJava)」を4月4日に発売する。価格は3000円(税込み)で、シャープスペースタウンhttp://www.spacetown.ne.jp/)上のネット販売となる。

 対応機種はMI-E1で、16MB以上のコンパクトフラッシュカード、コンパクトフラッシュにソフトをインストールさせるためのWindows95/98/2000の動作するPCが必要となる。

取締役通信システム事業本部長 坂井陽一氏

 Java実行環境には、英Tao(ダオと発音)社の開発したintentを採用する。intentはJavaのコードを実行時にネイティブコードに変換するため、通常のインタープリタ環境の10倍近い速度でJavaアプリケーションを実行できるのが特長だ。また、言語仕様にはPersonalJava1.1.3を採用するため、現在、PDAや携帯電話向けに策定されているJ2MEのコンフィグレーションであるCDC(Connected Device Configuration)やCLDC(Connected Limited Device Configuration)に比べ、リッチなAPIを利用できる。

 「intentの採用により、実用的な速度でJavaが動く世界で初めてのPDAと考えている」と、同社のモバイルシステム事業部長の宇野氏は語る。

 Javaアプリケーションがザウルスの独自機能をフルに活用できるように、PersonalJavaのAPIに加え、に手書き文字認識エンジンやキーボード、通信、動画、音楽再生などの独自のAPIを用意する。従来のZaurus用アプリケーションと比べ遜色ないアプリケーションの開発が可能になる。

 シャープでは、1年間に1万本のJavaソフトが開発されることを見込んでいる。

[関連リンク]
シャープの発表資料
Personal Java for Zaurus フォーラム
米サン・マイクロシステムズ
英Tao
英Tao社とアスキーによるIntentの解説ページ

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