「トレンドはトップエンド」、BIツールの必要性を訴えるブリオ

2001/5/11

 5月10日、BI(ビジネス・インテリジェンス)製品ベンダー、ブリオテクノロジーの新CEOクレイグ・ブレナン(Craig D. Brennan)氏が来日、都内で記者会見を開き同社の新しい戦略を語った。ブレナン氏は同社が同日開催したセミナー「The Power of ONE Roadshow 2001」に合わせて来日した。

 米ブリオテクノロジーは1989年創業のソフトウェア製品ベンダー。主要製品は意思決定を行う分析系ソフトウェアのスイート「Brio ONE」。同製品はOLAP製品「Brio Enterprise」製品群を核としており、1999年に発表された。2001年度の同社の売上高は1億5000万ドルで、前年度の14%増となった。

ブレナン氏はオラクル出身。ラリー・エリソン会長の下、グローバルCRM部門シニア・バイス・プレジデントとして手腕を発揮した。「ITを駆使して課題を解決し、ビジネス上の利益を得ることにこだわってきた」

機が熟すか、日本のBI市場

 ブレナン氏は、企業における意思決定ツールの重要性を訴える。「今日のトレンドは“トップエンド”。バックエンドのERP、フロントエンドのCRMと来て、いま、企業の課題はフロントエンド、バックエンド、さらにはインターネットからのデータをいかに有効活用するか」という。BIを用いれば、PCやPDA上で得られた情報を加工し、よりよい意思決定が実現するという。

 同社のソリューションは3階層から成る。ベースとなるのは「Brio Enterprise Decision Platform」で、分析、Web配信(ポータル)、レポーティングといったツール群を持つ。中間層がマーケティングや販売といった各種アプリケーションで、同社製品以外にも、ユーザーの独自開発製品などを組み込むことができる。その上に「Enterprise Decision Dashboard」と呼ばれるパーソナライズ化された画面が載る。PDAにも対応した同ソリューションは、年内には全ツールの日本語化が完了する予定。

 「容易に操作できる点、導入の簡単さ、統合化されたソリューションの3点で差別化を図る」とブレナン社長は語る。

 日本市場の活動としては、1999年に日本法人を設立し、2001年4月に新社長を迎えた。今後は、現在代理店契約をしているキヤノン販売、シャープシステムプロダクト以外にもパートナーを増やして行く。新しく代表取締役社長に就任した杉本弘康氏は、「日本ではERPの再燃、企業のDWH(データウェア・ハウス)構築が完了し活用段階にある、などと好条件がそろっている」と意欲を燃やす。

あえて断行する経営改革―「プロの経営する企業に」

 「シスコ、オラクルなどハイテク業界が不振といわれる中、弊社は引き続き成長を続けている」とブレナン氏。「BI分野は、エンタープライズ・ソフトウェア分野のうち、唯一、ベンダー全社が成長している市場」という。市場規模は世界で30億ドル、今後5年で7倍程度成長するという予測もあるそうだ。

 そんな追い風の中、同社は今年に入り社内の再編を決断、現在経営陣を総入れ替え中だ。ブレナン氏は、業績は伸びているのにあえて経営改革を行った理由を聞かれ、「ベンチャー精神にあふれた製品中心の企業から、プロが経営する顧客中心の企業に生まれ変わる必要があったから」と答える。最後に同氏は、「顧客のビジネス・パフォーマンスのブレークスルーを達成することが使命だ」と締めくくった。

(編集局 末岡洋子)

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