米連邦高裁、MSの分割命令を破棄して再審理を決定

2001/6/30

 米連邦高等裁判所は米国時間6月28日、連邦地方裁判所が昨年6月に出したマイクロソフトの分割命令を破棄し、連邦地裁に審理のやり直しを決定した。

 今回の決定は、昨年6月に連邦地裁がマイクロソフトの独占禁止法違反を認定し、その認定に基づいて同社の分割命令を出したが、それをマイクロソフトが不服として上訴していたもの。

 連邦高裁は、連邦地裁の審理の過程で審理を担当していたジャクソン(Thomas P. Jackson)判事の訴訟指揮に問題があったことを認め、連邦地裁に審理を差し戻す決定を下した。ただし、審理のやり直しは、ジャクソン判事ではなく、別の判事によって行われる。しかし、今回の連邦高裁の決定でも、マイクロソフトの独占禁止法違反の一部は認定しており、全面的に同社の主張を認めたわけではない。

 マイクロソフトの会長兼チーフ・ソフトウェア・アーキテクトのビル・ゲイツ(Bill Gates)氏は、今回の決定について米ワシントン州の同社本社で会見を行い、「今回の決定により、当社がWebブラウザに関して独占の意図がなかったことが認められた」と述べ、さらに「今回の訴訟で問題となったことは、いかなる会社であっても製品の革新を進め、改善する資格があるのかどうかという点であったが、今回の連邦高裁の決定では、連邦地方裁の基準よりも広く認められて喜ばしい」と語った。

[関連リンク]
マイクロソフトの発表資料

[関連記事]
ゲイツ氏、“Whistler”を「Windows .NET Server」と命名 (@ITNews)
Microsoft、分割命令に対し再び挑む (TechWeb/@ITNews)
Microsoft系団体の調査を承認したラリー・エリソン氏 (TechWeb/@ITNews)
UNIXとの競争にさらに力を入れるMicrosoft (TechWeb/@ITNews)
米MS、「Visual Studio .NET」を強化するプラットフォーム (@ITNews)
明らかになるHailstorm、MS.NETのコンファレンス (@ITNews)
米MS、Webサービスの新基盤「HailStorm」を発表 (@ITNews)
.NET戦略のこれまでを振りかえる (NewsInsight)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)