オニックスがMSと協業、「常にCRM市場で最先端に」

2001/7/12

 オニックス・ソフトウェアとマイクロソフトは7月11日、両社の製品の拡販を目指し、WebベースのeCRMソリューションで協業を行うと発表した。さらに同日、オニックス・ソフトウェアは日本語版2製品を発表した。

 オニックス・ソフトウェアとマイクロソフトの協業は、1月に発表された米マイクロソフトと米オニックス・ソフトウェアが発表した世界規模での協業を、日本市場においても展開していくもので、オニックスのメイン製品となるCRMポータルスイート「Onyx Enterprise 2001」が、マイクロソフトの「SQL Server」などの上で動作することから、両社共同でのプロモーションや営業活動、およびパートナー企業の開拓などを通じて、両社製品の組み合わせによるeCRMソリューションを推進していくというもの。この協業により、両社で50件の案件獲得を予定している。

 「Onyx Enterprise 2001」は、WebベースのCRMポータルサイトのためのスイート製品で、社内向け、顧客向け、ビジネスパートナー向けのポータルサイトを短期間に構築できる。これらのポータルは個別に構築・運用することも、情報を共有しシームレスに統合した形のシステムを作ることもできる点が特徴。システムのコア・モジュール「Onyx e-Business Engine」と社内向けポータル構築用コンポーネント「Employee Portal」は2月に発売されている。

「Onyx Enterprise 2001」システム概念図

 今回、オニックス・ソフトウェアにより発表されたのは、「日本語版 Onyx Customer Portal 1.1」と「日本語版 Onyx KnowledgeBase 3.0」。

 「Onyx Customer Portal」は、「Onyx Enterprise 2001」を構成するコンポーネントで、顧客向けポータルを構築する。Web上でのアンケート回答を取り込んだり、電子メールやFAXの返信を行うマーケティングサイト、ショッピングカートや決済の機能を持つECサイト、新製品情報の登録・更新や顧客の履歴情報の管理機能を持つサイトなどを構築できる。

 「Onyx KnowledgeBase」は、「Onyx Enterprise 2001」で効果的に利用できるように開発されたナレッジベース製品。マルチデータソースのサポートにより、企業内の各所にある情報をWeb上から利用できるようになる。

 価格は、「Onyx Customer Portal」がエントリ価格として、20ユーザー(コンカレントユーザーベース)で925万円、「Onyx KnowledgeBase」が1サーバライセンスで300万円から。

ブレント・フライCEOは、「斜陽産業の企業こそ、CRMが重要」と強調する

 都内で開かれてた会見で、米オニックス・ソフトウェアのCEOブレント・フライ(Brent Frei)氏は、「CRMとは顧客中心のビジネスプロセス、考え方を指す。CRMのシステムは、顧客を中心にして、社内外のビジネスリソースや事業部門の間で調整を図り、それを自動化するものでなければならない」とし、「経営には各段階で目標や計画があり、それをテクノロジーが支えている。そしてそれぞれが従業員、パートナー企業、顧客を巻き込んでいる。しかしながら、ほとんどの会社で、これらは融合していない。異なるテクノロジーがそれぞれの単位をサポートしているのが現状だ」と指摘。「オニックスは、近年のCRM市場では常に最先端に位置しており、企業が統合された単一の顧客マスタを持ち、効率的な企業活動を行える段階にいたるよう、テクノロジー面だけでなくコンサルティング面などトータルなサポートを行う」と述べた。

 日本法人の橋本信雄代表取締役社長は、「国内にR&Dの部隊がおり、米国のチームと連携して開発を行う体制になっている。日本法人でもソースコードをもって開発を行うので、すばやく的確な顧客対応ができ、大規模案件にもきちんと対応できる。日本の企業は顧客を大事にしてきた。その財産をカスタマイズできる点が、日本にR&Dを置く理由の1つでもある」と語った。

(編集局 鈴木崇)

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