2000年の国内SIサービス市場、CRMが順調な成長
2001/3/24
調査会社のIDC Japanは3月23日、2000年の国内SI市場についての調査結果と今後の市場動向予測を発表した。
同調査ではSI市場をERM(Enterprise Relationship Management)、CRM(Customer Relationship Management)、SCM(Supply Chain Management)の3分野で構成されるシステム統合事業と定義している。ERMとは、戦略、プロセス、技術、人事、リソースを全社レベルで統合するもの。具体的にはERPに代表される経理、販売、物流など企業の基幹業務システムの設計、構築、管理を指す。
調査結果によれば、2000年のSI市場全体の規模は9397億円だった。1999年は8937億円で、前年度比1.05倍の伸びとなる。内訳はERP、CRM、SCMの順で、それぞれ38%、14%、6.9%の比率を占める。
市場規模が3589億円に到達したERPの需要の背景は、新会計基準の導入やグローバル化が大きな要因としている。「短期導入と業務プロセス簡素化を実現するパッケージシステムへの投資効果に対する理解が進みつつある」と同社ITサービスシニアアナリストの柏木成美氏はコメントしている。
CRM市場では、Webベースで単期導入が特徴のeCRMへのシフトが見られるという。同市場は2004年まで年間平均成長率15.8%で伸びて行くと予測している(2000年11月21日付け記事参照)。SCMに関しては、普及率はまだ低いが、ビジネスパートナーとのやり取りでオープンな関係が求められていることから、経営戦略における優先度が高まりつつあるという。同社では、SCMの2004年までの年間平均成長率を23.2%とし、SIサービス市場最も高い伸びで推移して行くと予測している。
課題として、企業側の意識改革の必要性を挙げている。これまでのカスタマイズの多い独自の企業システムから、全社的かつサプライヤーや顧客との情報共有・コラボレーションにも対応するシステムへと移行する際には、業務プロセスの変革を伴う。利害関係などが原因で抵抗が生じる可能性が高いと指摘している。
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