XPで微笑むマイクロソフトとコダック

2001/8/16
By Mary Mosquera , InternetWeek Aug 13, 2001(10:56 AM)

 米マイクロソフトが新しいWindows XPオペレーティングシステムに修正を加えることになるという。イーストマン・コダックが8月13日に明らかにしたところによると、競合するデジタル写真DPEサービスにユーザーが容易にアクセスできるようにするためだ。

 コダックは、マイクロソフトが統合を進めている新しいOSとインターネットベースのサービスが競争を制限しているとして、マイクロソフトと公に争ってきた。コダックが提起した不満は、現在、下級および上級連邦裁判所の間で司法判断が足踏みしている歴史的な反トラスト訴訟へとつながった政府のそれと同じものとなっている。

 コダックがこれまでに語ったところによると、他社製ソフトウェアを不当に置くことはマイクロソフトのアプリケーションにとって有利に働くという。

 マイクロソフトはWindows XPのリリースを10月25日に予定している。同製品は、インストレーション作業のため今月末までにはコンピュータメーカー各社に向けて出荷されることになっている。

 一方、政府や法律関係のアナリストによると、マイクロソフトはこれまで、反トラスト訴訟の再審、延期、最高裁判所への上告を求めてきたという。最新OSを広範囲に流通させる前に草案が用意され、裁判所によって課される何らかの是正措置を延期させるのが目的だ。

 米司法省と18の州は、8月10日に行った裁判所への申請の中で、罰則決定の重要性とXPの発売とを関連づけた。この申請の中には、「その独占的な地位が要因となり、マイクロソフトの製品や行為は市場を脅かしている。是正措置の手続きが早く始まるほど、ベンダ各社は競争が約束され、確実性も得られる。これらは、企画を立てたり効率的なリソース投入に必要な要素だ」とあった。

 コダックによれば、マイクロソフトはデジタルカメラの接続が認識されたときの選択肢の提供方法を変更するという。ユーザーには、ドロップダウンメニューだけでなく、サードパーティーデジタル写真サービスプロバイダーのリストも一覧表示されるようになる。

 マイクロソフトは、ダイアログボックス内のスキャナやカメラウィザードについても明確にする。

 イーストマン・コダックのデジタル/応用イメージング担当COO(最高業務執行責任者)、Phil Gerskovich氏は、「Windows XPでの変更は前向きな措置だ。コダックはわれわれのEasyShareデジタルカメラとソフトウェアがWindows XPとうまく連動するようになることに満足している」と語った。

 マイクロソフトの副社長、Chris Jones氏は、「コダックはマイクロソフトにとって重要なパートナーだ。われわれは、彼らのフィードバックを取り入れることができ、そして今後もデジタル写真の使い勝手を向上させる方法について対話を続けられることをうれしく思う」と語っている。

 「Kodak EasyShare」システムはデジタルカメラ、ドッキングステーション、そしてユーザーがカメラからPCへ写真を転送し、インターネットにも接続して自分の写真を電子メールで送信したり印刷できるようにするソフトウェアによって構成されている。

[英文記事]
Microsoft, Kodak Smile For XP

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