企業がWindows XPを導入するメリットとは?
2001/9/6
Friday, August 31, 2001, 2:18 PM ET. InternetWeek,By
Mitch Wagner While
マイクロソフトは、まもなく登場する次期OSのWindows XPを、コンシューマーに向けて大々的に宣伝している。だが、実際には企業にとっても、XPはアップグレードするだけの価値があるようだ。
Windows XPへのアップグレードにより、現在、Windows 95、98、もしくはNTを使っている企業は、特に安定性や扱いやすさが向上するというメリットがある。また、Windows 95、98、およびNT用のアプリケーションとの互換性に関しても、Windows 2000と比較すると改善されている。
そのうえ、だれにでもというわけではないが、多くのユーザーにとって便利になると思われる新機能に、パーソナルファイヤウォール、マルチメディアメッセージング/カンファレンス、ワイヤレスイーサネット標準、802.1lbのサポート、CD作成ユーティリティの内蔵、そしてRemote Desktop(ユーザーがネットワーク上の別のPCから自分のコンピュータにアクセスできるようにしてくれるもの)などがある。
ウェルズ・ファルゴ銀行では、同OSが出荷される10月25日までに1000台のWindows XPマシンを用意する計画だ。同行のエンタープライズシステムアーキテクト、Dustin Sauter氏によると、同行ではXPを全行レベルで投入する指示は出ていないが、年末までに保有する10万台のデスクトップの約80%にXPを導入する予定という。残りの20%はすでにWindows 2000を搭載している。また、同行はすでに500台のPCに、プレリリース版XPをインストールしている。
Sauter氏は、Windows 2000ではなくXPを選択する重要な根拠として、既存のWindows NTおよび95/98アプリケーションとの互換性を挙げる。XPは、初期のOS向けに書かれたアプリケーションとの互換性が2000よりも高い。マイクロソフトのプロダクトマネジャー、Charmaine Gravning氏によると、NT用アプリケーションの約92%、そして95/98用アプリケーションの88%は、何の修正も加えることなくXPで動作するという。
IDCのアナリスト、Al Gillen氏によると、別のOSを使っている企業がXPに移行する最大の理由がアプリケーションの下位互換性と安定性の向上だと見ている。このような理由から、Windows 2000ユーザーの大半はそのまま同OSを使い続けると予測される。「もし自分が必要なアプリケーションをすでにWindows 2000で運用していたら、Windows 9xおよびNTアプリケーションとの下位互換性向上は動機とはならないだろう」(Gillen氏)。
ウェルズ・ファルゴでは、安定性のあるOSといわれるWindows 2000よりXPの安定性の方が勝る、と感じている。Sauter氏によると、少なくとも1日1回はクラッシュすることが避けられなかった初期バージョンのWindowsとは雲泥の差だという。
マイクロソフトとアクセンチュアが共同で設立したコンサルティング会社で、企業向けにマイクロソフト製ソフトウェアの設定を行うAvanadeのCTO Ashish Kumar氏によると、内蔵のパーソナルファイヤウォールソフトウェアは、DSLやケーブルモデム回線で、企業ネットワークに接続する従業員向け回線のセキュリティ確保を容易にしてくれるという。そして、Remote DesktopはXPマシンを使っているユーザーがそのキーボード、マウス、そしてモニタを使って社内ネットワーク上のどこかにある別のマシンにアクセスできるようにしてくれる。
Gravning氏によると、Remote Assistanceではまた、ヘルプデスクのマネージャに利益をもたらすという。これまでは担当者がユーザーに順を追って説明したり、そのユーザーの席まで出向いてシステムを変更していたが、担当者自身のマウス、キーボード、そしてモニタを使ってエンドユーザーのPCをコントロールして解決できてしまうからだ。
パーソナルファイヤウォールソフトウェア、Remote DesktopやRemote Assistanceといった機能は、Windowsのこれまでのバージョン向けにサードパーティー製品が用意されていた。今回、これらの機能がOSに内蔵されたことで、企業は新たなソフトウェアのライセンス、インストール、そして保守のコストを削減できるようになる。
Sauter氏によると、XPはまた、Windows 2000にはなかったリモート/自動コンフィギュレーション機能を搭載しているという。これは、これが動作するシステムの特性(そのシステムのプロセッサスピードやネットワーキングハードウェアのタイプなど)に基づいてコンフィギュレーションを行うことができる機能だ。
一方、Wells Fargoでは使わないであろうXPの強化機能が、「Luna」というコード名を持つ新しいユーザー・インターフェイスだ。現行のWindowsインターフェイスと比較して、XPではアイコンが大きくなり、デスクトップ上に表示される数が減ってしまった。Sauter氏はこの変更が既存のWindowsインターフェイス以上にユーザーを混乱させることを恐れ、同行では各事業部に対し、XPを既存のWindowsインターフェイスで設定できるようにする同OSの機能を活用するよう推奨している。
「多くの非技術系ユーザーを抱えるWells Fargoのような組織では、この変更はあまりにも大きいからだ」(Sauter氏)。
[英文記事]
Windows XP
Lures Enterprises
[関連リンク]
Windows
XPの製品情報(英語)
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