大規模サイトの短期構築を実現する開発技術「UMLaut」
2001/9/11
ウルシステムズは9月7日、大規模Webサイトを短期間で構築する開発技術「UMLaut」(UML-based Automation Technology)を、同社の顧客向けに技術移転するサービスを開始すると発表した。
UMLautは、大規模なeビジネスサイトの構築に必要となる、ビジネスモデルの策定、Webシステムの構築、サービス開始までの一連のプロセスを体系化した開発手法だ。これまでのWebサイト構築の効率化によく見られる実装段階での効率化にとどまらず、eビジネス構築の開発プロセスやアーキテクチャのパターン、ソフトウェア部品、開発環境、テスト手法、品質管理、ソフトウェアの分析や設計モデルの再利用を情報共有する仕組みなどが、さまざまなeビジネスサイト構築に適用可能なかたちで整備されている。
UMLautの開発プロセスは、ビジネスモデル策定を行う「Business Development Process」と、システム構築フェーズの「System Development process」に大別され、詳細には7つのプロセスで構成される。システム構築フェーズのみならず、ビジネスプロセスの策定段階からオブジェクト指向技術を適用し、モデル表現にはUML(Unified Modeling Language)を、システム開発プロセスにはRUP(Rational Unified Process)、XP(eXtreme Programming)などが採用されている。各プロセスにおいてモデルの再利用が可能となり、オブジェクト指向本来の技術メリットを生み出しているという。さらに、各プロセスのアウトプットが次のプロセスにスピーディかつ確実に受け継がれることで、ビジネスモデルとソフトウェアの設計モデルを直結することができ、ビジネスモデルの変化にシステム全体を柔軟に追従させることを可能にしているという。
ウルシステムズは、これまで多くの案件にUMLautを適用してきたが、大規模サイトを運営する同社の顧客からの強い要望を受け、実践を通じてのメンタリング方式で開発方法論や環境、ドキュメントテンプレート、ソフトウェアアーキテクチャフレームワークなど一式をユーザーに移転する技術トランスファーサービスを提供するに至った。現在すでに2社への提供が予定されており、年度内には約5社にサービスを提供する予定だという。
なお、UMLautを実際に適用した事例としては、お台場メディアージュ向けのメールマーケティングシステム「LE-X」がある。LE-Xは、携帯電話のメールを利用して、施設内の遊びの情報をリアルタイムに配信するシステム。UMLautを適用することで、わずか1ヶ月の開発期間でカットオーバーに成功している。
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