SPSS、データマイニング・ツールのユーザー会開催

2001/9/15

 9月14日、エス・ピー・エス・エスが主催する第1回Clementineユーザー会「CLUG Japan 2001」が都内のホテルで200名以上の参加者を集めて開催された。

 「Clementine」は、GUIによる操作が特徴のデータマイニング・ツール。日本において好調な売り上げを示しており、今回のCLUG Japanにおいても、世界に先駆けて現在開発中の次期バージョン「Clementine 7.0」のデモンストレーションが行われた。同社では、このデモでユーザーの意見を集め、次期バージョン(来年リリース予定)製品に反映させる意向で、同社の日本重視の姿勢が見られる。

基調講演を行う立教大学の守口剛教授

 基調講演では、「マーケティングにおけるデータマイニングの役割」と題し、立教大学の守口剛教授がCRMアプローチ型マーケティングにおけるデータマイニングの利用例などを講演した。ほかにも「顧客データ活用とデータ分析の考え方」(ジェイアール東日本企画による事例)、「出店意思決定支援のための売上予測の考え方」(スターバックス コーヒー ジャパンによる事例)、「テキスト・マイニングとClementine〜ブランド連想データ分析〜」など、ビジネスユースのセッションが並んだ。

 「ニューラルネットワークの効果的な利用法について」のセッションの中で、早稲田大学の豊田秀樹教授は、「データマイニングはデータの力で分析するので、分析者に数理統計の知識はいらない。ニューラルネットであれば関数化は勝手にやってくれるので、マーケター向き。的確な成果を出すためには地道な繰り返しが必要だが、1回モデルを作ってしまえば運用は比較的に楽なはず」と、一般ユーザーによるビジネスでの活用を強調する。

 POSやWebログなどのデータを宝の山に変える可能性を秘めるデータマイニングは、今後ますますビジネス利用が広がるだろう。そうした中、異業種のユーザー同士、あるいはアカデミックな世界とビジネス界の相互交流は、データマイニングは運用ノウハウが重要であるだけに意義がありそうだ。

(編集局 鈴木崇)

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