MS、Windows XPの推定価格とパッケージ体系を明らかに

2001/9/20

「Windows XP」 緑がHome Edition、青がProfessional

 マイクロソフトは9月19日、World PC EXPO 2001が開催中である千葉・幕張にて、次期OS「Windows XP」の価格やサポート体制について発表した。

 Windows XPは「Windows XP Professional」「Windows XP Home Edition」の2ラインナップが提供され、日本での発売日は11月16日となっている。同OSは、同社はこれまで、Windows 95系(Windows95/98/Me)とWindows NT系(Windows NT/2000)で別のカーネルを利用していたが、XPは両OSで初めて同一のカーネルを採用して開発した(OS機能の詳細については、「Windows XPの正体」参照)。ボリュームライセンスはProfessional版でしか提供されず、同社では、コンシューマー向けにはProfessional、Home Editionを、ビジネス向けにはProfessionalを推奨するという。

 パッケージは、Professional版では3種類、Home Edition版では2種類用意される。それぞれの対象ユーザー、推定小売価格は以下の通り。

製品名 タイプ 対象ユーザー 推定小売価格
Windows XP
Prodessional
通常版 Win 95、NT 3.51以前のOS、他社OSユーザー、OSを持っていない人

 

3万5800円

アップグレード版 Win 98/98SE/Me、NT 4/2000のユーザー 2万3800円
アカデミック・アップグレード版 学生、教員など教育機関で、Win 98/98SE/Me、NT 4/2000のユーザー 2万800円
Windows XP
Home Edition
通常版 Win 95以前のOS、他社OSユーザー、OSを持っていない人 2万5800円
アップグレード版 Win 98/98SE/Meのユーザー 1万3800円

 このほか、日本のみのサービスとして、Windows 2000 Professionalユーザーを対象に、期間限定(2002年2月末まで)でProfessional版へのアップグレードを特別価格で提供することも発表した。

 対応する周辺機器やソフトウェアについては、“Designed for Windows XP”ロゴを用意し、エンドユーザーに認識しやすくするという。同社によれば現在、店頭販売されている周辺機器の60〜70%、PCメーカー販売の80〜90%にあたる、約1万2000種類のハードウェアのサポートを実現したという。ソフトウェアに関しては、ここ3年に開発されたアプリケーションの約90%程度は互換性があると推定している。同社では専用サイト(ソフトウェアハードウェア)を設け、互換性に関する情報を提供していく。

“XPはブロードバンド時代のWindows”を強調する阿多社長

 サポートに関しては、特に個人向けを強化した。これまでは初回問い合わせ時から90日間無料だった無償サポートの期限を無期限にし、さらに「セットアップおよびインストールサポート」と「基本操作サポート」に分けた。「セットアップ〜」に関しては、土日も実施し回数も無制限に拡大する。「基本操作」に関しては、Office XPより導入した「インシデント制」(期間ではなく質問の数に応じて無償サポートを提供するサービス)を採用し、Professionalユーザーは3回、Home Editionユーザーには2回の無償サポートを提供する。

 また、新製品から導入される“Activation”と呼ばれるライセンス認証については、購入者が初回起動時から30日以内に行わなければならないとした。受け付けは、インターネット経由または電話で、24時間365日体制で行う。同制度に関しては、個人情報保護に関し懸念の声が上がっているがこれについて「(ライセンス認証と)ユーザー登録とは別のもの。プライバシー保護が損なわれるようなことはない」(同社 Windows製品部 御代茂樹氏)とした。

 ライセンスに関しては基本的に、1ライセンスでライセンス認証されるPCは1台を原則とする「1ライセンスあたり1台のPC」を適用する。再インストールやハードウェア変更の場合は柔軟に対応するが、大規模な構成変更を行った際は、再度ライセンス認証が必要になるという。

 同社は同日、CADツールなどのエンジニアリング・ユース向けの「Windows XP Professional 64-bit Edition」も発表した。32ビット版の4倍にあたる16ギガビットの物理メモリを持ち、仮想メモリは16テラバイトを実現した。既存32ビットアプリケーションも可動可能で、1台で32ビット用、64ビット用の両方のアプリケーションを利用できる。同製品は32ビット版と同時に発売する。

[関連リンク]
マイクロソフトの発表資料

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