「サンのSun Fire 15Kはメインフレームの代替にはなり得ない」とIBM
2001/10/11
日本IBMは10月10日、都内のホテルで報道関係者やアナリスト向けに同社eServerの最新動向に関する説明会を開いた。
同社は、10月4日にeServerシリーズのハイエンドUNIXサーバ新製品「pSeries 690(コード名:Regatta)」を発表しており、同じく10月4日に「Sun Fire 15K(コード名:StarCat)」を発表したメインフレーム市場への食い込みを狙うサンマイクロシステムズとの、激烈な覇権争いが業界の注目を集めている(「“狙うはメインフレーム”のUNIXサーバ」参照)。
今回の説明会では、同社 サーバー・ビジネス総責任者兼上級副社長 ビル・ザイトラー(William M.Zeitler)氏をはじめとする、サーバ部門を統括するバイスプレジデントの面々が出席しており、今後の同社や業界の動向について興味深い話を聞くことができた。ここでは、Q&A形式でその一部を紹介していこう。
――近年、未曾有のIT不況が叫ばれているが、同社のサーバ戦略への影響は?
ザイトラー氏 市場から厳しい目で見られているのは、eBusinessではなくてドット・コム企業だ。SCM(Supply Chain Management)に代表されるような社内システムの整備へは、引き続き投資が行われている。企業のITへの投資が止まったわけではない。
――IBMが販売するeServer 4シリーズの中で、どれが一番人気があるのか?
ザイトラー氏 最近の面白い傾向として、同社のpSeries(UNIX系サーバ)よりも、zSeries(S/390系サーバ)やiSeries(AS/400系サーバ)といったハイエンド寄りの製品の方が、伸びが高いことがある。これは、顧客がConsolidation(環境の統合)や社内システムの再整備、高速化に注視していることの現れだろう。また同時に『可用性』『障害復旧』といった事項も重視されつつあり、同社が取り組んできたサーバの自己修復を実現する『eLiza(イライザ)』の成果が生かせる環境がそろいつつあるといえる。
――サンは、Sun Fire 15KでIBMのメインフレーム市場への食い込みを狙っているが、これについてはどのように考えているか?
ザイトラー氏 同社は、金融大手など各社にメインフレームを提供している。これらのユーザーでは、基幹業務にはメインフレームを用い、Webサーバなどのフロント業務でUNIXサーバを用いるなど、使い分けを行っていることが多い。だが、これはConsolidationの考え方からいえば、管理が困難で、効率も悪い。むしろ、メインフレームのパーティショニングを用いて、フロント業務も包含してしまうほうが効率が高い。StarCat(Sun Fire 15K)は、既存UNIXサーバをスケールアップするのには向いているが、メインフレームの代替にはなり得ないと考えている。
(編集局 鈴木淳也)
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