IBM/ロータス連合軍による統合ポータルサーバが登場

2001/11/21

 日本IBMとロータスが同席して1つの新製品を発表する――、11月20日に都内で行われた発表会では、かねてから予想されていたことが現実となった。日本IBMは、企業内外のWebアプリケーションを、1つのWebブラウザ上から操作可能にするポータルサーバ、「IBM WebSphere Portal Family V2.1」を発表した。

製品発表で同席する、IBM ソフトウェア事業部長 平井康文氏と、ロータス代表取締役社長 安田誠氏

 WebSphere Portal Familyは、IBMのWebSphere Portal ServerとロータスのK-Stationという、両社が別々に提供していたポータルサーバを1つのラインナップに統合した製品。パーソナライズされたポータル画面の作成から、ポータル画面上でのグループウェアによるコラボレーション、そして1度のログインですべてのアプリケーションにログイン可能なシングル・サインオンなどの機能を備える。

 パーソナライズ機能とアプリケーション統合機能などの、ポータルサーバとしての基本的な機能はWebSphereが担う。ポータル画面を構成する各ウィンドウは、それぞれ「ポートレット」と呼ばれる、サーバ上で実行されるサーブレットのようなJavaモジュールにより表示されており、WebSphereがポートレットの実行環境を提供する。

 コラボレーション機能は、ロータスのK-Stationが持つQuickPlaceやSametimeの機能を利用したもの。K-Stationは、ポータル画面を作成するポートレットと、ドミノのアプリケーション部分などからなるが、今回はポートレットの部分をWebSphere上で稼働するようにしたことでWebSphere Portal Familyへの統合を実現した。将来は、残りの部分についてもWebSphereへ統合していくことになるという。

 シングル・サインオンは、チボリのTivoli Policy Directorの機能を利用する。このほか、アプリケーション統合やメインフレームとの連携機能として、WebSphereのさまざまなコネクタが利用される。

 WebSphere Portal Familyは、以下の3つのソリューションに分かれている。

  • WebSphere Portal Enable Solution
    パーソナライズなど基本的なポータルサーバの機能を備えたもの(1プロセッサあたり965万2500円)。

  • WebSphere Portal Extended Solution
    上記Enable Solutionに、コラボレーション機能を追加したもの(1プロセッサあたり1528万3200円)。

  • WebSphere Portal Experience Solution
    上記Extended Solutionに、ロータスSametimeや、チボリPolicy Directorの機能を追加したもの(1プロセッサあたり9330万7500円)。

 これら3種類の製品は、2002年1月18日から発売される。

(編集局 新野淳一)

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