IBMブルーに染まらなかった? ロータスKKの新ブランド戦略

2001/10/12

 1995年に米IBMが米ロータス・デベロップメントを買収してから6年。この間、IBMはロータスの独立性を尊重してきたが、先月、その関係に変化が訪れた。「ロータス製品は、IBMが提供する『ロータスソフトウェア』ブランドの製品である」という、新しいIBMのブランド戦略が始まったからだ。

 IBMは、ロータス、チボリ、DB2、WebSphereの4つをソフトウェア事業の柱と位置づけ、これらについて「IBMのソフトウェア」としての共通したブランド戦略をとることにした。そのため「ロータスソフトウェア」ブランドの新しいロゴ(右図)が制定され、また、米ロータスのWebページは、IBMのすべてのWebページがそうであるように、左上の位置に、黄色い「Lotus」ロゴの代わりに「IBM」の青いロゴが置かれるようになった。

 この新ブランド戦略はワールドワイドで展開されているが、日本では多少位置付けが異なっている。ロータス株式会社 代表取締役社長の安田誠氏は10月11日、都内で開かれた記者発表で、日本におけるIBMとロータスのブランド戦略について説明した。

 安田氏は「日本では引き続きロータス株式会社が事業主体として存在しているため、(IBMが、ではなく)ロータス株式会社が『ロータスソフトウェア』ブランドを用いて製品を提供する」とした。しかし、ワールドワイドで展開されるIBMのソフトウェア事業の一員としての戦略やシナジーについては、積極的な共同歩調をとり、その戦略の下で「新たなブランドのもとに、これからのロータスは変わっていく。IBMのソフトウェア事業の中でシナジーを生かしていく」(亀田俊 マーケティング本部長)という。

■Rnextがついに日本初披露

 この記者発表が行われたホテルでは、同社のイベント「ロータスフォーラム 2001」および「ロータス デベロッパーカンファレンス 2001」が同時開催され、日本で初めてノーツ・ドミノの次期バージョン「Rnext」(コードネーム)の一端が披露された。

 Rnextでは、ドミノの信頼性と高速性にさらに磨きがかかる。また、Java Servlet 2.2およびJavaServer Pages 1.2に対応した。従来、ドミノのWebアプリケーションといえば、ノーツ画面をドミノによってWebアプリケーション化したものが中心だったが、ServletとJSPを本格的にサポートしたことにより、カスタムアプリケーションの幅が広がったといえるだろう。ドミノ内で開発したServletプログラムは、レプリケーションを利用して自動的に他のサーバへも展開することができる。

 Rnextの出荷時期は、来年とだけ発表されており、詳しい時期は未定。来年1月に行われる米ロータスのカンファレンス「Lotusphere 2002」で、機能の詳細と出荷時期が発表されると見られる。

Rnextのノーツクライアントでは、ビューの状態から内容の変更が可能になった(クリックで拡大)

ローミング設定をすることで、いくつかのドミノサーバを経由して、自分のサーバへ接続することが可能になる(クリックで拡大)

改良されたサーバ管理ツール(クリックで拡大)

(編集局 新野淳一)

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