24時間運用を考えたDB新バージョンがサイベースから

2001/11/22

 サイベースは11月21日、XMLおよびEJBサポートを強化した「Sybase Adaptive Server Enterprise(ASE) 12.5」を発表した。約1年半振りのバージョンアップとなる新バージョンでは、ミッションクリティカルなシステムでの利用を想定した設計、オープン性などが特徴だ。

「Sybase Adaptive Server Enterprise(ASE) 12.5」

 ASE 12.5では、XMLやEJBのサポートなどのデータ・マネジメント機能、セキュリティ、動的パフォーマンス・チューニングの3つの点が強化されている。

 データ・マネジメントでは、増加するXMLデータに対応するため、操作面に着目しXQLクエリーエンジンを搭載した。XQLは構文解析したXML文書で特定のタグを検索する仕様で、カスタムコードなしにXML文書の検索処理が実現する。このXQLサポートは、他社製品にはない機能となる。また、XMLの全バージョンを認識するため、検索能力が最適化されるという。

 EJBでは、オプションでEJBコンテナを内部でサポートしたほか、EJBエンジンとSQLエンジン間の通信にJDBCバスをサポート、安全性を維持した高パフォーマンス環境を実現するという。

 セキュリティでは、行レベルのアクセス・コントロールやSSL機能をサポートしている(いずれもオプション)。動的なパフォーマンス・チューニングは、インデックスページとデータのキャッシュの調整、ユーザー(アプリケーション)優先度の設定、CPUレベルのリソース割り当てなどの機能で実現した。同社 マーケティング部 ESDプロダクトマーケティング担当部長 高木信滋氏は、「24時間運用のデータベースはどうあるべきかを追求した」と述べ、同機能で他社製品との差別化を図るとした。

 同製品の最小構成価格は、UNIX版が217万4000円(5同時ユーザー)、NT版が14万9000円(1同時ユーザー)。出荷は今月中を予定している。

 米国本社では、CEOにジョン・チェン(John S. Chen)氏が就任して以来、3年計画での建て直しがほぼ終了し、売り上げ増という形で成果が現れている。日本でも、先日新CEOにデーヴィット・ワレン(David Warren)氏が就任、3年で売り上げ倍増などの目標を掲げ、マーケットを絞った戦略を積極展開していくという。新製品は、「(戦略推進の)武器となる製品」(同社 マーケティング部 部長 田中克哉氏)。ERPに進出したライバルのオラクルとは一線を画し、今後も、低価格性、ベスト・オブ・ブリードなシステム構成に必要なオープン性などを追求していくという。

(編集局 末岡洋子)

[関連リンク]
サイベースの発表資料

[関連記事]
「3年で売上高を2倍にする」とサイベース新社長(@ITNews)
脱データベースベンダの道を着実に歩むサイベース (@ITNews)
[Interview] DB、Appサーバ、開発ツールの3点を強みとするオラクル (@ITNews)
Oracle9iは「5倍の性能、10倍の信頼性」 (@ITNews)

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)