インテル、次世代のサーバプロセッサなどのロードマップを明らかに

2001年12月10日

 米国インテルコーポレーション副社長マイク・フィスター(Mike Fister)氏らが12月6日に会見を開き、同社のサーバ市場へ向けた企業コンピューティング製品の今後のロードマップを説明した。

米国インテルコーポレーション副社長 マイク・フィスター(Mike Fister)氏

 2001年は、Itaniumプロセッサの第1世代(Merced)のチップが出荷された。このItaniumプロセッサ・ファミリのロードマップとしては、来年2002年に、その後継となる「McKinley」(マッキンリー)の製品版がようやく姿を現わす。この「McKinley」は、ItaniumプロセッサのEPIC(並行処理技術)設計を拡張したもので、データ転送速度はItaniumの3倍、コア周波数は1GHzになっており、Itaniumの1.5〜2倍以上のパフォーマンスを持つという。同社は、複数のベンダなどに「McKinley」のパイロット版を12月中に出荷し、バグなどの修正を行った後、製品版を2002年前半に出荷するとしている。また2003年以降には、0.13μmプロセスのMadison (マジソン)とDeerfield(ディアフィールド)を投入することを明らかにした。

 Itaniumを搭載したシステムは現在、NEC、IBM、ヒューレット・パッカードなど20社以上のベンダが出荷している。同システムがサポートするOSは、Windows 2000/XP、HP-UX、Linuxなど。アプリケーションレベルでも現在、オラクルの「Oracle 9i」やIBMの「DB2」など400以上の製品が、Itaniumのサポートを表明している。「一部報道などでは、現在のItanium(Merced)は、McKinleyまでの橋渡し役程度であるとの報道がされていた。しかし主要ベンダの多くが、橋渡し程度のためにこの技術を用いて製品化することは容易ではない。この各社の判断を見ても分かるように、Itaniumの技術の確かさが実証されている」とフィスター氏は、自信をうかがわせた。

 一方、IA-32プロセッサのロードマップとしては、Pentium III Xeon、Xeon DP WSプロセッサの後、2002年にはPrestonia DP(プレストニア・ディーピー)、Foster MP(フォスター・エムピー)」、2003年Gallantin MP(ギャラティン・エムピー)の出荷が予定されている。これらのCPUの出荷により、将来のCPUは超低電圧になり、超薄型の高速サーバでも使われるようになることを示唆した。

 「InfiniBand」に関しては、「3GIO」との違いについて説明した。「InfiniBand」は、より大型なデータセンタなどのシステムで必須となるI/O技術として、サーバ間接続を担う。現在広く利用されているイーサネットは長距離に向いているのに対し、InfiniBandは距離の制約があるため、iDC内のサーバ間接続などに向いている。3GIOに関しては、「InfiniBandのようなものだと考える人がいるが、3GIOはシステム内(ボード上)でしか使われない、システム間では使用できない。その点をきちんと整理してほしい」と、フィスター氏は強調した。

 現在、サーバ市場はサン・マイクロシステムズ、IBM、HPなどの独自システムによるRISCベースの64ビットプロセッサのハードウェアがマーケットを支配している。これら新技術によって、インテルがこのサーバ市場において今後どのような位置を確保できるのか注目したい。

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