「戦う態勢は整った」とBEAの新CEO

2001/12/21
By Rob Wright, VARBusiness 5:32 PM EST Thurs., Dec 13, 2001

 9月から着実に業績を改善させているBEAシステムズのCEO、アルフレッド・チャン(Alfred Chuang)氏は、就任直後の騒然とした時期を乗り越え、いよいよBEAを一段上のレベルへと導く態勢に入ったという。

 チャン氏は今年で第3回目となる「BEA Executive Symposium」に集まった報道陣に対し、同社のここ最近の業績が景気の後退にもかかわらず上昇していることと、業界が依然としてWebアプリケーション・サーバの導入に傾いていることを強調した。同氏はさらに、BEAが「Star Partner Program」によって自社チャネルの拡大を継続し、製品の拡充を目指して新技術を開発することも明らかにした。

 チャン氏は就任してからこれまでの数カ月について、「非常に建設的な経験ができた」と語った。「業界がいかに厳しいのかは認識しているが、それでもわれわれは利益を出し、カスタマーを獲得し、人材を確保している」(チャン氏)。

 BEAの3人の共同創業者の1人であるチャン氏は10月初め、やはり共同創業者で会長兼CSO(最高戦略責任者)になったビル・コールマン(Bill Coleman)氏の後継として、社長兼COOからCEOへと昇格した。だがチャン氏が正式にCEOに就任してから最初の2カ月は、経済の低迷、BEAの社員2人も犠牲となった9月11日のテロ事件によって、非常に厳しいものとなってしまった。

 問題はより大きなところにあるのかもしれないが、BEAにとって最大の障害は、IBMとのアプリケーション・サーバ市場での加熱した競争のようだ。BEAの「WebLogic」はマーケットシェアでトップを走るアプリケーション・サーバだが、大半の調査はIBMの「WebSphere」を僅差の2位とし、BEAに迫りつつあるとしている。IBMがBEAにとって最大のライバルであるとの意見が大勢を占めているが、チャン氏の意見は異なる。

 「IBMがわれわれのライバルなのではない。われわれが(IBMの)ライバルなのだ」(チャン氏)

 同氏によると、IBMにはカスタマーのインストールベースがあり、中には75年前から関係が続いているところもあるという。だが、たとえビッグブルーに歴史や幅広い製品およびサービスがあったとしても、BEAはこのITの怪物と今後も競争し続けるという。同氏は、ここ最近の4四半期、同社がカスタマーとの取引の半分以上でIBMの名前を目にするなどIBMと大接戦を繰り広げながらも、1万件の契約を勝ち取ってきたことを明らかにした。

 IBMの幅広い製品ラインナップに対抗する策として、BEAは自社ソフトウェアスイートへ、新製品・新機能を追加することに専念している。チャン氏によれば、同社はアプリケーション統合/アプリケーション管理ソフトウェアを開発中であるほか、買収の可能性についても模索しているという。

 さらに同氏は、BEAは最後まで第4四半期の利益予想を変えず、1株あたり7セントの利益と1桁の収益成長を予想し続けたことに触れた。BEAは第3四半期に2億2000万ドルの利益を上げている。米国での今年の売上げは打撃を受けたものの、同社の売上高の30%以上を占めるヨーロッパでの売上げは「非常に堅調」だという。

 チャン氏は2002年の後半には景気が改善の兆しを見せ始めると予想しており、市場が安定した状態に戻れば同社の売上高は再び年間30%の成長を遂げるようになると信じている。そして、テロ事件以降も業績が向上したことを加えた。

 「9月よりも10月が良かった。そして10月よりも11月はさらに良かった」(チャン氏)

[英文記事]
Chuang Eager To Take BEA To Next Level

[関連リンク]
BEAシステムズ

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