オラクルが最大89%の値下げを断行

2002/1/11

 日本オラクルは1月10日、同社製品の価格を改定すると発表した。新価格体系は「Oracle 9iプライス」と呼ばれ、主力製品「Oracle 9i Database」をはじめとする同社製品が最大で89%値下げされるほか、新しい価格設定も行われる。Oracle 9iプライスは2月1日より導入される。

日本オラクルは今年発足12年目を迎える。「今年は全社一新して展開する」と新宅社長。今回の価格改定もその一環

 同社は昨年、「Eビジネス・プライス」として大幅な価格改定を行っており、今回の改定は「さらにシンプル・わかりやすく、市場の変化に合わせ、ライト(=right;適正な)プライスを追求した結果」(同社代表取締役社長 新宅正明氏)という。

 今回の改定は、Eビジネス・プライスで導入した、CPU数に基づいた価格設定方式の「プロセッサ・ライセンス」、ユーザー数に基づいた「指名ユーザー・ライセンス」という2本の柱に基づく。特にユーザーの多いハイエンド向け「Oracle Database Enterprise Edition(DB EE)」の場合、ユーザー・ライセンスに新たに「追加実行ユーザー・ライセンス」が加わり、ユーザーがユーザー数に応じた価格設定方式を選んだ場合、より柔軟に組み合わせることができる。

プロセッサ・ライセンス
 プロセッサあたりの単価を24〜48%引き下げた。また、単価も一律とした。これまではCPU数が1〜3個の場合の1CPUあたりの単価は960万円だったが、Oracle 9iプライスでは1CPUあたりの価格が一律500万円となる。例えば64CPUで購入の場合、前体系より30%安い4000万円となる。

指名ユーザー・ライセンス
 最小ユーザー数(25ユーザー)での最小価格の場合、前体系では1CPUあたり300万円だったが新体系では250万円に、1指名ユーザーあたりの単価も、前体系の12万円から新体系では10万円と引き下げられた。

追加ユーザー・ライセンス
 データベースに対し、検索、更新、修正、削除など、アプリケーション開発やデータベースの管理・運用を行わないエンド・ユーザーに提供され、価格は100ユーザーで100万円。同ライセンス適用にあたっては、ユーザーは稼働CPUに応じた最少構成の基本構成価格との組み合わせが条件となる。また、最大8CPU搭載可能なハードウェア構成で稼働するDB EE、およびDBオプション製品など、適用製品に制限もある。

 オラクルのDB製品の価格についてはこれまで、IBMやマイクロソフトなど競合製品と比べ高価であるという指摘がされてきたが、新体系では最少構成価格をIBMの「DB2 Universal Database」と比較した場合、ユーザー・ライセンス価格では同等かそれ以下となる。プロセッサ価格では、引き続きオラクル製品の方が高いが、「パフォーマンスなど機能の優位性により、ハードや運用のコストを削減できる」(同社 執行役員 製品本部長 保科実氏)としている。同社によると、DBユーザー層の広がりから、プロセッサ価格で購入するケースが増えており、すでに全体の25%程度を占めるという。同社では今後、この比率は増加すると見ている。また、追加ユーザー・ライセンスを組み込んだ形は、中規模ユーザーや、ユーザー制約を持つアプリケーションを導入しているユーザーなどに適しているとしている。

(編集局 末岡洋子)

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日本オラクルの発表資料

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