新NetWareで原点に回帰するノベル
2002/1/16
「NetWare 6」 |
ノベルは1月15日、同社サーバOSの新バージョン「NetWare 6」を発表した。新製品の特徴は、クライアントの場所やOSを問わずファイルへアクセスできる“ユニバーサル・ファイルシステム”。システムの基盤を1つにするという同社のビジョン「oneNet」を実現するため、既存機能の強化や新機能の追加を行った。2月18日より出荷を開始する。
ノベルはこれまでのNetWare製品群を“ネットワークOS”と位置付けてきたが、今回、新製品を「(企業システムの)ファイル&プリント機能を強化するビジネス・ツール」(同社 営業マーケティング本部 営業推進グループ マネージャー 伊藤由規氏)としている。その理由は、クライアント/サーバからWebコンピューティングへの移行。「OSよりも、ネットを介してのコラボレーションや情報共有といったことができる環境の構築が重要となる」と同社 営業マーケティング本部 本部長 高橋正廸氏は語っている。ある意味では、同社の勢力が強かったLAN普及期の製品開発思想に基づいているともいえるだろう。
NetWare 6は、NASのようにクロスプラットフォームで機能し、サーバを一元的に管理できる。Windows、UNIX、Linux、およびMacintoshに対応、場所やOSを問わずにデータへのアクセスが可能となる。また、HTTP、HTTPSなど各種インターネットおよびイントラネットの標準をサポート、Webブラウザからファイルへアクセスできる。今回、マルチ・プロセッシング、「NDS eDirectory」などの既存機能が強化されたほか、「iFolder」、「iPrint」、「Native File Access」、「NetStorage」といった新機能が加わった。
「iFolder」のユーザ情報画面 ファイルの空き容量などが表示されている(クリックで拡大) |
「iFolder」は、インターネット経由での企業内データへアクセスを実現するオンライン・ストレージ機能。安全性を確保するため、データの暗号化、サーバに保存したファイルへのアクセスを本人のみに限定することなどが可能。また、インターネットに接続するだけでデータの同期が自動的に行われるといった特徴もある。iFolderは単体としても販売される予定。
「iPrint」は、プリンタの所在(物理的位置)やプリンタドライバを気にすることなくプリントアウトが自在に行える機能。印刷プロトコルの標準であるIPP(Internet Printing Protocol)に対応し、Windows、UNIX、Linux、Macintoshからプリントアウトが可能。組織内でプリンタ配置図を作成しておけば、ユーザがWebブラウザを介して最寄りのプリンタを探し出し、そのプリンタドライバをダウンロードできる。SSLを利用してプリンタジョブを暗号化通信することも可能、安全性も確保した。
NetWare 6の販売形態としては、パッケージ販売、大規模ライセンス販売プログラムによる販売の2種類がある。価格はそれぞれオープンプライス。
同社は新製品のターゲット市場として、企業や新聞・放送業、製造業、医療などのほかDTP市場も視野に入れて展開する。サーバOS市場の7〜10%のシェア獲得を目指し、代理店向けのセミナーなどを積極的に行っていくという。
(編集局 末岡洋子)
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