eDirectoryのシェア拡大を図るノベル、無償提供プログラム発表

2001/7/24

 ノベルは7月23日、同社のLDAPディレクトリ製品「NDS eDirectory」をISVに無償で提供するプログラムを発表した。

“one Net”の重要性を強調する米ノベルのポール・スマート氏

 同プログラムは米国で今年5月に発表されたプログラム(「米ノベル、eDirectoryを無償で提供」参照)の日本版で、名称は「NDS eDirectory ソリューションプログラム」という。

 eDirectoryは各種OSに対応しクロスプラットフォーム環境を実現するLDAP技術に基づいたディレクトリサービス。プロファイルやアイデンティティを安全に管理でき、認証・認可の基盤を構築できる。

 今回同社が発表したプログラムは、eDirectory対応のアプリケーションを開発するISVが、自社製品にeDirectoryをバンドルし、無償でユーザー企業に再配布できるもの。対象となる企業はeDirectoryまたはLDAP対応アプリケーションを持つ、あるいは今後開発の予定のあるISV。ただし、xSPなどの商用利用は対象外となる。ユーザー利用ライセンスは、1社あたり25万ライセンスまでで、追加ユーザーは1ライセンスより購入が可能。eDirectoryへのアクセスはバンドルされたアプリケーション経由に限定される。他のアプリケーションからのアクセスが必要な場合は、同社より別途購入することになる。提供開始は8月30日の予定。

 同プログラムでノベルは、eDirectoryベースのアプリケーションの開発を促進し、ディレクトリ市場でのシェア拡大を狙う。同社によれば、現在の世界のディレクトリ市場における企業利用でのシェアは88%でトップで、今後は現在iPlanetがシェアトップを占めるインターネット領域でもシェア拡大を図る。現在、同製品の世界規模でのユーザー数は1億6300万人以上。同社マーケティング本部 本部長 高橋氏によれば「日本でのライセンス数は現在数百万人単位」で、このプログラムによりライセンス数の倍増を図るという。

 7月24日に開催の同社カンファレンス「BrainShare Japan 2001」のために来日した、米ノベル ネットディレクトリサービス担当副社長兼ジェネラルマネージャ ポール・スマート(Paul Smart)氏は、「サプライヤやビジネスパートナー、従業員、顧客と異なる対象に合わせて構築したばらばらのシステムを統合することにより、eビジネスの相乗効果が生まれる」と同社の推進する“oneNetソリューション”の必要性を強調、「oneNetのベースとなるのがeDirectory。安全でシンプルなアクセスの土台を構築する」と述べた。

 また同日、米ノベルが今年3月に買収を発表し(「苦悩するノベル、買収による改善を期待」参照)、7月10日に手続きが完了した米ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの日本法人の代表取締役社長吉田仁志氏が列席し、「ノベルは本当のネットソリューションベンダーに生まれ変わり、インターネット時代の全く新しいビジネスソリューションを提供する」と語った。米ノベルではケンブリッジの買収にあわせて、CEOの交替も含めた経営陣の入れ替えが行われている。日本での体制については後日発表する予定だという。

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