「J2EE普及にはVBのような開発環境が必要」とシルバーストリーム
2002/1/23
Webアプリケーション・サーバ・ベンダの米シルバーストリーム・ソフトウェアは1月22日、Webサービス向けの統合プラットフォーム「SilverStream eXtend」を発表した。J2EEがミドルウェアの標準となりつつある現状を踏まえ、WebLogicやWebSphereでも動作する、完全に非プロプラエタリな開発環境という。
ベンフィールド氏 米国のWebサービス業界では著名で、講演や執筆も多い |
米シルバーストリームは、初のJavaベースのアプリケーション・サーバを提供したベンダ。これまで日本市場では、同社の日本での総販売元テクマトリックスを通じ、Webアプリケーション・サーバ「SilverStream Application Server」、ポータルの「SilverStream ePortal」、XMLベースのインテグレーション・サーバ「SilverStream xCommerce」を提供してきた。
今回の統合開発環境の発表にあたり、来日した同社 CTO スティーブ・ベンフィールド(Steve Benfield)氏は、Webサービスの課題を以下のように述べた。「Webサービスを構築し、実際に実装し運用していくために、XMLベースの統合、レガシーとの接続、ビジネス・プロセス・マネジメントとたくさんのパーツが必要。さらに、J2EEは容易に実現できるものではない」。そこで同社ではJ2EE実装の複雑性を軽減し、ビジネス・アプリケーションの開発者が使用できる開発環境の必要性を感じたという。
「Webサービスは、これまでのシステムを変えるもの。だがWebサービスは“魔法”ではない。矛盾しているように聞こえるかもしれないが、シンプルな技術(=既存の技術)で、eビジネス・アプリケーションの統合を行うことがWebサービスなのだ」(ベンフィールド氏)。このように同社では、今後ますます統合へのニーズが高まり、“大規模な統合(Massive Application)”がWebアプリケーションのキラーアプリになると見ている。
SilverStream eXtendは、Webサービスなどのサービス主導型アプリケーションの統合開発環境。ウィサードベースでの開発が可能な「SilverStream eXtend Workbench」、SOAPサーバ「SilverStream jBrokerWeb」、UDDIサーバ「SilverStream eXtend JEDDI Server」、ポータルフレームワーク「SilverStream eXtend Director」などを含む。
レガシーシステムなど既存アプリケーションのWebサービス化が容易に実現するほか、UDDIレジストリを含むため、Webサービスの開発から実装、パブリッシュまで完全にサポートする。また、生産性というSilverStream Application Serverの特徴はそのままで、ウィザードの多用などにより、使いやすさを向上させたという。
同製品はJ2EEをサポートし、同社のアプリケーション・サーバのほか、他社製(IBM「WebSphere」やBEA「WebLogic」など)アプリケーション・サーバでもほぼ同レベルのパフォーマンスで動作するという。また、マイクロソフトの.NETアプリケーションもサポートする。各種Javaアプリケーション・サーバをサポートする狙いについて、「J2EEはミドルウェアのOSと言っても過言ではない。Windowsの普及にVB(Visual Basic)やPowerBuliderが不可欠だったのと同じで、J2EEを使いやすくするツールが必要。eXtendはその役割を果たすだろう」とベンフィールド氏は述べている。
SilverStream eXtendの英語版の体験版は1月中にリリースで、正式日本語版は今年の第1四半期中にリリースの予定。テクマトリックスではこれに合わせ、各種キャンペーンを展開していく予定だ。
(編集局 末岡洋子)
[関連記事]
[Interview]
「SOAPやWSDLは選択肢の1つに過ぎない」とシルバーストリーム (@ITNews)
[ガートナー特別寄稿]Webサービス普及の下地は整った
(@ITNews)
HPがアプリケーション・サーバを無償提供、その狙いは?
(@ITNews)
Webサービスでのリードを強調するIBM
(@ITNews)
「J2EEと.NETは共存、統合可能なWebサービス構築を」とBEA
(@ITNews)
Webサービスに疑問を投げかけるOMG
(@ITNews)
ヒートアップするアプリケーション・サーバ覇権争い
(NewsInsight)
[Interview]WebサービスとCORBAの両面から“統合”を貫くアイオナ
(@ITNews)
情報をお寄せください:
最新記事
|
|