“革新的”を強調、PC以外の市場も狙うとAMDの次期CEO
2002/2/14
米AMD 社長兼COO ヘクター・デ・J・ルイズ氏 |
米AMDの社長兼COOのヘクター・デ・J・ルイズ(Hector de J. Ruiz, Ph.D.)氏が来日し、2月13日に都内で記者会見を開催した。ルイズ氏は、同社の次期CEOと目されている。
ルイズ氏は、これまでの日本AMDの発表と同様に、コンピュテーション、ストレージ、コネクティビティを3本柱に掲げ、今後も「革新的であること」を念頭に置き、事業を進めていくと述べた。さらに、AMDはカスタマーにフォーカスしており、革新のための革新は意味がなく、常にカスタマーの成功こそがAMDの成功につながるとした。革新的であることの1例として、1999年来、ライバルであるインテルよりも特許取得数が上回っていることを挙げた。
PC向けのマイクロプロセッサとしては、AMDは第8世代の「Hammerファミリ」(開発コードネーム)のリリースをこの年末に控えている。ルイズ氏はHammerを、「ブレイクスルーとなる期待の星」と表現した。
また、製造については、1月31日に台湾UMC社と合弁会社の設立を発表している。300mmウェハ対応のFabを立ち上げ、2005年半ばには65nmプロセスで生産を開始する予定だ。200mmから300mmのウェハに移行することで、製造コストを30%低減させることができるという。また、UMCはAthlonプロセッサの委託製造も引き受けることになる。
柱の1つのコネクティビティについては、2月5日付けで、米アルケミーセミコンダクターの買収を発表している。アルケミーセミコンダクターは、PDAやウェブタブレット、ノンPCのインターネットアクセス機器向けに、高性能かつ低消費電力のMIPSベースのマイクロプロセッサを設計・開発を手がける企業。アルケミーセミコンダクターの創設者は、旧DECでAlphaやStrongARMの開発に携わっており、今回の買収はこれらの優秀な人材を求めたからだという。
だが、Pockt PC 2002やPalm次期OSがARMアーキテクチャになることについて尋ねられると、「AMDはこれまでマイクロソフトのOSに対応してきた。また、マイクロソフトのOSもAMDのプロセッサに対応してきた」とかわすにとどまった。
今後は、アルケミーセミコンダクターの製品により、従来AMDが持っていなかったノンPCソリューションにも力を入れていくことが予想される。
(編集局 松山雅明)
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