「“動けばいい”ではダメ」テストと監視の必要性を説くマーキュリー

2002/4/12

 負荷テストなどテストツール・ベンダ、マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは日本市場の戦略をさらに強化する。同社 代表取締役社長 小島康英氏によると、昨年度、日本市場では対前年度比30%以上で成長したという。「ハードウェアやソフトウェア、さらにはネットワークまで、さまざまな技術が混在する中、テストの必要性は開発過程に限らなくなってきた」と小島社長は語る。

マーキュリー 代表取締役社長 小島康英氏

 マーキュリーは、負荷テストツール「LoadRunner」、Web性能監視の「Topaz」などを提供している。特に負荷テストの分野では広く採用されており、LoadRunnerのシェアは50%を上回るという。

 今回の拡大は、米国本社の組織変更を受けてのこと。3月1日より、日本法人はこれまでのアジア・パシフィック部門から独立し、本社の直轄組織となった。すでにいくつかの強化策は実行に移しており、今後、営業やマーケティング、サポートなどの強化、製品およびサービスの拡大、さらなる日本語化の強化などを行うという。

 「自動テストツールに関して、日本では市場の立ち上がりが遅れた」と小島社長。品質にこだわる日本ではこれまで、開発工程でのテスト検証を行ってきたが、プロジェクトが大きくなり、複雑になるにつれ、開発チーム内では品質の管理に限界があると認識され始めたという。「情報システムの重要性が増すにつれ、システムなどの検証作業が、事業を行ううえで不可欠であることが認知されている」(小島社長)。

 同社の戦略は、トータルでのパフォーマンス管理。開発、運用でのテストに加え、得られた結果を元にしたチューニングにより、継続的なパフォーマンス管理が実現するという。「パフォーマンス管理による利点は、単にシステムの安定運用やパフォーマンスの向上だけではない。(テストを)しなかったことによる、バグやビジネス機会の喪失などのリスクを管理することでもある」と小島社長は語り、これらのメリットを広く市場にアピールしていくという。

 またパートナー戦略を強化する対策として、パートナー向けの新プログラム「レンタル制度」を発表した。1カ月単位などでLoadRunner同社製品が使える仕組みで、パートナー企業には、コスト面のほか、品質向上などの利点があるという。

 これらの対策に基づき、今後は、リスクや対投資効果を示し、CIOや役員クラスに啓蒙活動を行っていく。みずほ銀行の統合障害にも触れながら、「“システムは動けばいい”という認識ではダメ。ビジネス上にインパクトがあるのかを把握しておく必要がある」と語った。

(編集局 末岡洋子)

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マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン

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