NEC、競争激化に備え、大規模な事業再編へ
2002/5/18
NECは5月16日、経営改革の第2フェイズとして、DRAMを除く半導体事業を分社化すると発表した。11月をめどに新会社を設立し、成長性の期待される高付加価値システムLSIに集中していく。
同社は、経営改革の第1フェイズとして、社内カンパニー制の導入などで成果を上げたが、IT・ネットワークと半導体では顧客層が大きく異なること、半導体業界の競争構造の変化などに伴い、分社化を決定した。
半導体事業等の分社化などを発表するNEC代表取締役社長の西垣浩司氏 |
半導体新会社の事業領域は、システムLSI、個別半導体および化合物デバイス(昨年10月にNEC化合物デバイスとして分社済み)であり、DRAM事業については日立製作所との合弁会社であるエルピーダメモリを維持し、NEC本体が管理する。これにより半導体新会社は、売上高約7000億円、従業員約2万5000人規模の半導体ソリューション専業企業となる。会社発足当初はNECが100%の株を保有するが、早期の株式公開を目指し、公開時には70%程度の保有にする予定という。
また、カラーTFT液晶事業とカラーPDPの2つのディスプレイ事業についても、本年10月をめどに分社化する予定だ。
カラーTFT事業の新会社は、現在の生産拠点であるNEC鹿児島のカラー液晶部門とNEC秋田を新会社の子会社とする。これにより、新会社の売上規模は約700億円、従業員は約1500人となる。また、同社は4月に発表した中国上海広電とのTFTカラー液晶合弁会社への技術供与や要素技術開発、産業用製品に注力する。
PDP事業の新会社は、NEC本体とNEC鹿児島のカラーPDP部門を統合、分社化して新会社を設立。売上規模は約600億円、従業員は約900人となる。NECの100%子会社であるが、将来は株式公開による資金調達も視野に入れる。
このほか、回路基板事業は凸版印刷との合弁会社を設立・統合、カーエレクトロニクス事業は本田技研のグループ会社に事業譲渡、マイクロ波管事業は本年10月をめどに分社化し防衛事業の一環でNECネットワークス傘下とすることが決まっている。
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