CRMでのコスト削減に着目したファイヤー・ポンドの最新版

2002/6/12

 ファイヤー・ポンド・ジャパンは6月11日、SFAおよびCRMのスイート製品の最新版「FirePond SalesPerformer Suite 2002」を発表した。新製品では、見積もりや受注の段階で発生するミスを防いだ正確な受注の実現にフォーカスをあてており、SAPやアリバとのインテグレーションも強化されている。

 ファイヤー・ポンドは、引き合いから注文までの販売プロセスである「LTO(Lead to Order)」の最適化を図ることにより、売り上げの増加や顧客満足度向上などを実現するというアプローチで、CRMソリューションを提供している。

ファイヤー・ポンド・ジャパン 代表取締役社長 新造氏

 「これまでは、売り上げアップなどプラス指向でのCRM導入が進んだ。だが、企業は効果が出ないことに気が付き始めている」と同社 代表取締役社長 新造宗三郎氏。新造氏によると、これからは、コスト削減、販売サイクルタイム削減などのマイナスの要素が重要視されるという。新製品はここに着目し、販売コストの削減、販売サイクルの短縮、販売プロセスの効率化の3つを可能にし、早期にROIを実現する。

 SalesPerformer Suiteは、CRM製品の「FirePond SalesPerformer」、インターネット対応のECサーバ「Web SalesPerformer」、顧客ごとに製品、オプション、サービス、価格などの設定や組み合わせを最適化するコンフィグレータ「SalesPerformer Configurator」で構成され、インターネット販売や直販、代理店販売など各種販売チャネルに適用できる。

 新バージョンでの主な強化点は、汎用アプリケーションサーバのサポート、Configuration Development Kit(CDK)、SAPおよびアリバとのインテグレーションの3つ。汎用アプリケーションサーバ対応に関しては、これまではSilverStreamベースであったが、J2EE準拠の各種アプリケーションサーバならばほぼすべてのサーバ上で同社のモジュールが動作するという。CDKは、Web上でのコンフィグレータの実装を容易に行える開発キット。これを用いることにより、既存のアプリケーションからコンフィグレータへアクセスできるようになる。他社製品とのインテグレーションでは、SAPとアリバとで実現。SAPの場合、顧客情報を相互に共有したり、受注データの自動作成などをリアルタイムとバッチの両方で実現する。

 1998年に日本市場に進出した同社は、4年目の現在、約10社の顧客を抱えている。新製品は既存顧客のほか新規顧客も視野に入れ、短期かつ低コストで導入できる独自手法「RapidFIRE」などを用いて提供する。また、将来的には日本市場の特性に合わせた機能の投入なども予定しているという。

[関連リンク]
ファイヤー・ポンド・ジャパン

[関連記事]
顧客に最適な組み合わせを提案するCRM、ファイヤーポンド (@ITNews)
特集 - CRMアプリケーション展望 (Business Computing)
「企業のDB数は過剰」とDB単一モデルを説くオラクル (@ITNews)
企業システムと統合可能なASP型CRM、セールスフォース (@ITNews)
統合CRMベンダのリーダーを目指す、エピファニー (@ITNews)

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)