BtoBサイトとビジネス・パーソナルポータルを構築するCRM製品

2002/7/25

 アート・テクノロジ・グループ(ATG)は先週、都内でプライベートセミナーを開催し、新製品「ATG Dynamo 5.6.1」を発表した。

 ATG Dynamoは、Web上でのユーザーの行動に応じて、Webサイトや電子メールの振るまいを定義する“シナリオ”ベースのパーソナライゼーションを実現するオンラインCRM製品。

 新バージョンは、まずプラットフォームとして、自社製アプリケーションサーバのほかに、IBM のWebSphereとBEAシステムズのWebLogicをサポート。また、製品のコアであるシナリオ機能を提供する「Dynamoシナリオサーバ」とパーソナライズ機能を提供する「Dynamoパーソナライゼーションサーバ」が、リレーションシップマネジメント機能の「Dynamo e-Business Platform」として1つに統合され、機能が強化されている。

米アート・テクノロジー・グループ テクノロジー担当副社長 松本史明氏

 このほか、この管理レイヤであるリレーションシップマネージメントの上に追加される機能として、従来からあった「コンスーマーコマース」に加えて、「エンタープライズコマース」と「エンタープライズポータル」が用意された。

 「エンタープライズコマース」は、複雑なカタログや価格表、購入や購買のオペレーション、階層構造での顧客管理などの機能を持つBtoBコマースサイトを構築できるもの。「エンタープライズポータル」は、ギア(ポートレット)を使って簡単に、顧客向け・社員向け・パートナー向けポータルを構築できる製品。ギア同士を連動して動作させることも可能。

 さらに、ATG Dynamoと外部システムのインテグレーションを実現する「ATG Dynamoアプリケーションインテグレータ(DAI)」と「ATG Dynamoビジネスインテグレータ(DBI)」が追加された。DAIはティブコソフトウェアのTIB/ランデブーとTIB/メッセージブローカのOEMで、SAPやシーベルなどのシステムと、Dynamo e-Business Platformを接続する。DBIはDAIと社外のシステムを接続するためのBtoBコネクタである。

 米ATGでテクノロジを担当する松本史明副社長は、「ATGは技術の会社として設立され、技術力には自信がある。利用者130万人の米陸軍ポータルサイトに採用されるなど、スケーラビリティも優れている」と述べる。そして、「日本のCRMは米国に比べて2〜3年の遅れがあると考えられるが、米国が試行錯誤したのに対し、現在なら最初から最新のテクノロジが使える。日本でオンラインCRMを始めるなら、グローバル化が進展し、またブロードバンドが普及しつつあるので、いまだと思っている」とCRMの実行を勧めた。

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ATGの発表資料

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