ラックとマイクロソフト、セキュリティソリューションを強化へ
2002/7/30
マイクロソフトの今年前半を振り返ると、.NETと同じほど、セキュリティ面での取り組みに関する発表が目立つ。Klez、Frethemなど、ウイルス発生が相次ぐ中、7月29日、同社はラックとの提携を発表、引き続きセキュリティ対策に取り組んでいく姿勢を強調した。
マイクロソフトは今年に入り、Trustworthy Computing構想を提唱し、これまでのストラテジック テクノロジー プロテクションプログラム(STPP)を強化して、各種の脅威への対策を提供してきた。今回の提携は、STPPの1つであるSoftware Update Services(SUS)というツールに関するものとなる。SUSは企業向けのセキュリティ対策ツールで、ネットワークに導入することでクライアントPCのセキュリティ対策を一元的に管理および把握できるというものだ。
だが、この対策では設定やアンチウイルスソフトなどのセキュリティ対策は管理対象外となっていたため、全方位的なものとはいえなかった。今回、ラックのソリューション「SNS Inspector」を組み合わせ、より強固なセキュリティソリューションを目指す。SNS Inspectorは、ネットワークに接続されたクライアントPCの設定やアンチウイルスソフトが正しく行われているかを管理するもので、昨年秋に提供を開始したもの。組み合わせたソリューションは、ラックのパートナーを通じて販売するという。
ラック セキュアネットサービス事業本部 取締役本部長 西本逸郎氏 マイクロソフトのセキュリティ対策に対し、「どこまで本気かと思っていたが、真剣にやっていこうとするスタンスを感じる」 |
「セキュリティ対策で重要なことは、悪意を持った人間より早く脆弱性に関する情報を発見し、対策を講じること。いち早く脆弱性を発見し検証する弊社のCSL(コンピュータセキュリティ研究所)と解決策の開発や公開を行うマイクロソフトが連携することにより、それが可能となる」と同社 セキュアネットサービス事業本部 取締役本部長 西本逸郎氏は語る。
両社はこれ以外に、セキュリティの啓蒙活動でも協力関係を築いていく。その皮切りとして、今年9月、経営者向け、および管理者向けの2種類のセキュリティセミナーを開催する予定という。
マイクロソフト Windowsサーバー製品部 シニアプロダクトマネージャ 古川勝也氏は、ここ数カ月の同社の取り組みを紹介し、「STPPの運用において日本では、パートナーも重要になる」と語り、今回の提携はその一環であるとした。
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マイクロソフトの発表資料
ラックの発表資料
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