McAfeeをシェアトップにするネットワークアソシエイツの新戦略
2002/8/8
日本ネットワークアソシエイツは8月7日、総合ウイルス対策の新コンセプト「McAfee MVP2」を発表した。昨年同社が発表したコンセプト「McAfee MVP」を強化したもので、既存のウイルスに加え、未知のウイルスの予防を含めたウイルス対策を、管理の側面からアプローチしたもの。同社は現在、日本におけるアンチ・ウイルス製品市場では2位となっているが、新コンセプトにより、トップとなることを目指す。
日本ネットワークアソシエイツ 代表取締役社長 加藤孝博氏 |
同社 代表取締役社長 加藤孝博氏は、業績が順調に推移していることに触れる。「対前年度比50〜60%で成長している。特に、日本市場では、他社からの乗り換えや電子政府絡みで好調だ」(加藤氏)。だが、日本市場での最大手は現在のことろ、トレンドマイクロだ。「新事業戦略により、大幅にマーケットシェアを獲得する。そして早急にナンバー1になる体制づくりをする」(加藤氏)。
そういったことから、今回発表した新コンセプトは、同社にとって大きな意味を持つ。初代のMVPは、ウイルスが複雑・多様化し、インターネットは普及し社会インフラとなりつつあるのに対し、ユーザー側は専門知識が少ないというウイルス対策が抱える問題を、“管理を軽減する”というアプローチから解決を試みたコンセプト。MVPはManaged Virus Protectionの頭文字をとったもので、Protectionは保護を意味する。
「米国では、95%の企業が何らかのウイルス対策ソフトを導入しているのに、10%のユーザーがメール型ウイルスに感染したという報告もある。弊社製品ユーザーでもNimdaに感染したという報告があった。これらが意味することは、運用管理の重要性だ」(同社 取締役McAfee事業部長 田中辰夫氏)。今回この初代MVPに、2つ目の“P”となるPrevention(予防)を加え、さらに完全なものにしていくという。
では、未知のウイルスにいかにして対応するのか。それは、すべてのMcAfee製品に搭載されている「McAfee Scan Engine」の機能の1つである、ウイルスらしき挙動を察知したらスキャンを行う「ヒューリスティックスキャン機能」がベースとなる。そのほかにも「GroupShield Exchange」などの製品に搭載されている「アウトブレークマネージャ機能」や、コンテンツフィルタリング機能などがある。アウトブレークマネージャ機能とは、1時間に同じ添付ファイルが20通以上送られてきたら、次のアクション(管理者にアラートや自動アップデートなど)を定義できる機能。
また、ハードウェアアプライアンス「WebShield e500 Appliance」の新バージョン(今年秋に発表予定)でも、トランスペアレント機能をHTTP、POP3に加えSMTPもサポートするなど、各製品の新コンセプト対応を進めていく。
製品はすべて同社の管理ソフト「ePolicy Orchestrator」で一元管理ができる。来年第1四半期に発表予定の新バージョンでは、モバイルユーザーへの対応するほか、ウイルス発見後の定義ファイルの更新でも強化が図られる予定。
また、専門の担当者がいない組織や企業に対しては、ASPサービス「VirusScan ASaP」を積極的に提案していくという。昨年開始した同ASPサービスは、開始後1年で契約ノード数が10万ノードを達成するなど好調という。同サービスにおいても、モバイルユーザーへの対応などの強化を図るという。
同社はこれらの製品やサービスを推進し、今年度下半期に管理製品事業、ASP事業やハードウェア事業でそれぞれ2倍の売り上げ増を、McAfee事業部全体では対前年度比50%の成長を狙うという。
(編集局 末岡洋子)
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日本ネットワークアソシエイツの発表資料
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