米カルデラ、社名変更の理由はブランド強化

2002/8/29

 米カルデラは、社名を「SCO Group」に変更すると発表した。すでに米国時間8月26日に株主の承認を得たという。カルデラ日本法人もSCOに社名変更する予定だという。

 社名変更はUNIX分野でブランド力がある「SCO」を有効活用することが目的という。米カルデラの社長兼CEO ダール・マクブライドは社名変更の理由について、「SCOブランドを再度強力に推進することにより市場での強い立場を構築できる。約20年以上にわたりSCO名は信頼性、安定性、および高い費用効果性を示すものだった」とコメントしている。

 社名変更に伴い、米カルデラの製品名も変更する。「Caldera OpenLinux」は「SCO Linux powered by UnitedLinux」に、「Caldera Open UNIX」は「SCO UnixWare」に、「Caldera パートナープログラム」は「TeamSCO」に、「Caldera Global Service」は「SCO Global Services」にそれぞれ変更する。

 同社は社名変更と同時に、「UnitedLinux」をベースにした「SCO Linux 4.0 powered by UnitedLinux」を、9月後半にも公開ベータとして公表し、11月に最初のバージョンをリリースすると発表した。米カルデラはほかにも、「SCO OpenServer」を2003年第1四半期に、「SCO UnixWare」を今年12月までに出荷することも発表した。

 UnitedLinuxは、Linuxの統一ディストリビューションの開発を目的にカルデラ、ブラジルのコネクティバ、独スーゼ、ターボリナックスの4社が加わる団体で、8月初旬に同名の事前ベータを公表していた。そのうち米ターボリナックスは、システムインテグレータ事業者のSRAがLinux事業を買収することで合意したと8月20日に発表されている。UnitedLinuxの開発はSRAが継続している模様だ。

 SRAによるターボリナックスのLinux事業などの買収と今回のカルデラの社名変更が、レッドハットに対抗するための陣営引き締めの布石となるのかどうか、しばらくUnitedLinux陣営から目が離せないようだ。

[関連リンク]
カルデラの発表資料

[関連記事]
SRAの傘下に入るターボリナックス、「安心を与えたかった」 (@ITNews)
9月末にUnitedLinuxのベータ版登場 (@ITNews)
Linuxは2強時代に? ターボら4社がUnitedLinuxを開発へ (@ITNews)
オラクル・デル・レッドハットの3社連合で市場はどう変わる?(NewsInsight)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)