EMCのストレージ管理ソフト一新、「AutoIS戦略の第2章が始まる」

2002/10/3

 イーエムシージャパン(以下EMC)は、昨年発表した同社の新戦略である「AutoIS」に対応したストレージ管理ソフトウェアを発表した。異機種混在環境のストレージを統合的に管理するだけでなく、設定や運用の面倒な部分を自動化する機能を備える。EMCジャパン代表取締役社長のスティーブン・フィッツ(Steven D. Fitz)氏は「この製品発表で、AutoIS戦略の第2章が始まった」と、同社が戦略実現に向けて順調であることをアピールした。

 今回発表されたのは、「EMC ControlCenter Open Editionファミリ」の新製品2つとバージョンアップ版が4つ。新製品である「ControlCenter Automated Resource Manger」「ControlCenter StorageScope」の2つは、ストレージのアレイ構成、SANの設定、ボリューム管理といったストレージ管理を、事前に設定されたポリシーなどを基に自動的に行え、運用上の統合的な管理までを実現する。これによって、ビジネス要件に対する即応性を向上させ、管理にかかる時間やコストの削減につながるという。

 バージョンアップした「ControlCenter SAN Manager」「ControlCenter Common Array Manager」は、ストレージの割り当ての状況、だれがどのくらいストレージを利用しているのか、といったレポート機能を備え、障害の自動検知や稼働状況などの監視もできる。

 同じくバージョンアップ版の「ControlCenter Replication Manager」「EMC Data Manager」は、レプリケーションに関する作業の自動化などを単独、もしくはSQL Server 2000やIBM DB2 UDBなどと連携して行えるほか、バックアップの自動化も行う。

 これらのソフトウェアはすべてControlCenter上で統合され、ストレージ管理に関する機能をすべて単一画面で一元管理できるのが特徴。また、同社のストレージ「EMC Symmetrix」や「EMC CLARiX」のサポート以外にも、ヒューレット・パッカードの「StorageWorks」をサポートし、今後も他社のストレージやサーバへの対応を進めていくという。

 ストレージは、サーバに直接接続されていたDAS(Direct Attached Storage)の時代から、ネットワーク上に接続されてどのサーバからも利用できるSAN(Storage Area Network)やNAS(Network Attached Storage)などのネットワークストレージへと主流が移りつつある。EMCが引用したデータクエストの予測でも、2006年にはネットワークストレージがストレージの7割以上を占めるという。

 こうした分散したストレージに大量のデータが格納されるようになると、従来の容量や速度、信頼性といった点から、分散したデータの柔軟な管理、運用といった管理ソフトウェアの点へと利用者が注目する点が移ってくるため、ストレージ各社とも管理ソフトに注力を始めている。今回の製品発表と他社の製品をもサポートするAutoISのオープン性は、その分野で先手を打ったものといえるだろう。

(編集局 新野淳一)

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イーエムシー ジャパン

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