NTTコムが広域LANの新サービス、キーワードは「ADSL」
2002/10/12
NTTコムのブロードバンドIP事業部マーケティング部 部長の高瀬哲哉氏 |
NTTコミュニケーションズは広域イーサネットサービス「e-VLAN」と、新しく設置するIPネットワークを使った企業向けのデータ通信サービスを10月末にも開始する。独立したIPネットワークと広域LANと接続することでネットワークの柔軟性とセキュリティを両立させ、コストも下げる。ショップやカフェなどへのコンテンツ配信を視野に入れている。
新サービスはNTTコムが10月11日に開いたプレスセミナーで明らかにした。新しく設置するIPネットワーク「CCN」(クローズド・コンピューター・ネットワーク、仮称)はインターネットと切り離して、セキュリティを確保したうえで、e-VLANに接続する。IPネットワークから顧客企業までのアクセス回線はフレッツかアッカ・ネットワークスのADSLを使用。IPSecを使い通信は暗号化する。
新サービスの利用料は月60万円から。使用する回線数などによって異なる。企業の本部、支社間でのLANの利用に加えて、NTTコムが新サービスで想定するのは、企業が全国にあるショップなどに業務データを配信する利用法だ。ファストフード店やカフェなどに設置したディスプレイに対して、企業の本部から映像データを配信するような使い方も想定している。もちろん各支店やショップからもデータを本部に送ることができる。通信データは暗号化され、インターネットと隔絶されたネットワークを通過するので、情報が漏れるなどの危険がない。すでにショップなどから引き合いがきているという。
NTTコムはe-VLANとOCNのインターネット回線を接続して、低価格で広域LANを構築するサービスも10月末に提供開始する。顧客企業のアクセス回線はADSLを利用。インターネット回線を使うため、月45万円からと比較的低価格なのが特徴だ。
NTTコムの新サービスはいずれもアクセス回線にADSLを利用する。これまではアクセス回線に専用線を使う場合が多かった。NTTコムのブロードバンドIP事業部マーケティング部 部長の高瀬哲哉氏は、「広域LANでコストが一番かかる足回りの回線にADSLが普及し始めている」と述べ、今後の企業のデータ通信について「ADSLなどメガビットの回線が普及することで、ショップなどへのコンテンツ配信が増えてきた。通信会社にとっても担当する顧客企業が従来と変わる」との認識を示した。
(垣内郁栄)
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