シスコ、メトロ・ネットワークなどの最新技術戦略を明らかに

2002/7/4

 シスコシステムズは、幕張メッセで開かれている「Networld+Interop Tokyo 2002」の会期に合わせ、同社システム製品ユーザー向けのカンファレンス「Networkers 2002」を開催している。同社はカンファレンス初日の7月3日にプレス向け説明会を開き、同社のテクノロジに関する最新情報を公開した。

シスコシステムズのメトロ向け最新技術を紹介する、同社 コアテクノロジーマーケティング本部長の木下剛氏

 同社 コアテクノロジーマーケティング本部長の木下剛氏は、ここ数年で起きているIPネットワーク分野における変化について、「必要とされる帯域の増大」「QoSなどのIPサービス」「複数レイヤにまたがるセキュリティ対応」「サービスレベルでの信頼性確保」「メトロ(MAN)などの新しいネットワーク形態の登場」「モバイルなどのユーザー利用端末の広がり」といった課題解決が求められているとした。

 中でも必要とされる帯域については、2年で10倍近いトラフィックの伸びを示している現状に対し、年率2倍の伸びという従来までのSONETやATMなどのバックボーン技術の拡張だけでは維持が難しくなっているという。そこで、これらの需要に耐えられるように、ギガビットのバックボーンを整備できる製品を提供していくという。具体的には、2001年末にリリースした10ギガビット・イーサネット対応製品が、2年内にはバックボーンとして採用されるようになるだろうという。

 また、ダークファイバの開放で話題を呼んでいるメトロ・ネットワーク(MAN)向け技術についても説明が行われた。同社が積極的に推進しているメトロ・ネットワーク向けの最新技術動向として、「10ギガビット・イーサネット」「EFM(Ethernet in the First Mile:ラスト・ワン・マイル接続向けのイーサネット技術)」「DTE Power(電力線ネットワーク)」「RPR(Resilient Packet Ring:リング接続での高速障害回復を実現する技術)」を挙げた。

 特に、エッジ接続向けのEFM対応GBICカードや、10Gbps対応ルーティング・エンジンを搭載したルータ向けモジュールの提供などは、他社に先駆けて実現できたものだという。木下氏はこれらメトロ・ネットワークについて、「技術的に特に目新しいものはないが、新しい技術や既存のレガシー技術など、たくさんある技術をいかに組み合わせるかが難しい」とまとめる。これら技術がスムーズに受け入れられるかどうかは、既存環境にうまく取り込んでいくためのソリューションを提示できるかがカギとなるだろう。

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シスコシステムズ

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