OMGのUML資格試験プログラム、新規巻き直し

2002/11/7

OMGジャパン 代表取締役社長 鎌田博樹氏(左)とOMG会長兼CEO リチャード・M・ソ ーリー(Richard Mark Soley)氏(右)

 OMGジャパンは2003年9月をめどに「OMG認定UML技術者資格試験プログラム」を開始すると発表した。「UMLアーキテクト」試験(UMLモデルを作成する設計者のスキルを評価する)と「UMLデベロッパー」試験(UMLダイヤグラムの意味を理解し、実装することができる開発者のスキルを評価する)の2本立て。それぞれのコースには、初級から上級までの3つのレベルを設定する。開始当初は初級と中級のみを実施する。その後、フィードバック評価を行い、上級者試験および組み込みなどのドメイン技術者試験を開発、実施していく計画である。

 このプロジェクトの実施・運営のためにOMGジャパンは、PAと共同出資で、専門の別会社「UML教育研究所」(仮称)を設立した。

 OMGジャパンでは、2001年から「OMG認定CORBA/UML技術者資格試験プログラム」の開始を会員企業を中心に提案していた。しかし、スポンサー獲得目標数の10社に満たず(3社にとどまった)、プログラムを中断していた経緯がある。最大の要因は、スポンサー企業からスタッフを招集し、試験問題の作成などを行う規約のために、スポンサー契約を躊躇する企業が多かったことだ。OMGジャパンでは、OMG本部と協議のうえ、認定対象をUMLに限定し、事業主体をOMGジャパンに、プログラムスポンサーは試験問題の作成に協力する義務をなくす、などの改訂を行った。

 OMGジャパン 代表取締役社長 鎌田博樹氏は、「OMG認定UML技術者資格試験プログラムは、UML技術を必要とするほかの資格試験とも連携をとりつつ開発、実施していきたい」とした。具体的には、(1)UMLを使用する開発方法論やツール、環境に関連したスキルの教育と試験(ラショナル、MS、IBMなどのベンダー試験)や、(2)UMLを必要とするプロフェッショナルに関連したスキルの教育と試験(システムアナリスト、アプリケーションエンジニアなど)、(3)IT技術者の基本知識、スキルに関連した教育と試験(基本情報処理技術者試験など)への試験問題の一部提供などを検討している。

 UML関連の認定資格試験では、オージス総研が提供する「UML技術者認定制度」がある。鎌田氏は「UML技術者認定制度とは整合性を図っていきたい。将来的には、オージス総研にスポンサー企業になってもらい、UML資格試験を1つに融合していきたい」とコメントした。

(編集局 谷古宇浩司)

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