「企業向けのPDAで先陣を切る」と、NECインフロンティア
2002/11/13
NECインフロンティアは無線LANとVoIP機能を搭載し、IP電話が利用できる業務用PDAを12月16日に発売すると発表した。バーコードを読み取るレーザースキャナを標準搭載し、流通や倉庫、物流などでの利用を見込む。NECインフロンティアは実績のあるPOSターミナルなどの技術を生かして、PDAを企業向けでブレークさせる考えだ。
NECインフロンティアの代表取締役社長 斉藤紀雄氏は、PDAについて「コンシューマ用は陰りが見えてきた。NECインフロンティアは企業向けに注力して、先陣を切る」と販売に自信を見せた。
無線LAN、VoIP機能を搭載した「Pocket@i」。Bluetoothを使いPDAとヘッドセットの間を無線にした |
NECインフロンティアが12月16日に発売する業務用PDA「Pocket@i」(ポケットアイ)は、IEEE802.11bの無線LANアダプターを内蔵し、倉庫の構内や店舗などでIP電話が利用できる。有線のヘッドセットのほかに、Bluetoothを使う無線のヘッドセットも用意する。IP電話機能を搭載することで、内線電話に縛られることがなくなる。電話中にWebや電子メールを利用して、担当者に即座に連絡することができる。
Pocket@iは無線LANとVoIP機能を搭載したタイプのほかに、128Kbpsの通信が可能なPHS端末を内蔵したタイプ、無線LANアダプターだけを搭載したタイプの3種を用意する。価格はPHSタイプで18万円から。
3タイプともバーコードを読み取ることができるレーザースキャナを内蔵。PIMやブラウザ、メールなどPDAの基本機能も備える。業務で利用することを考えて、通常のPDAと比較して堅牢な作りにした。1.2メートルの落下でも壊れない対衝撃構造を実現したという。
NECインフロンティアは商品在庫などを確認するPOSのターミナル端末が導入されているコンビニエンスストアなど販売店、検品に利用する倉庫などをPocket@iのメインターゲットに想定している。販売はNECインフロンティアが独自に持つチャネルのほかに、NECの法人営業を活用する。出荷は初年度5万台を予定。同社はOEMで他社への製品提供も行いたい方針だ。
Pocket@iの販売で重要になるのが、ソフトウェア含めたソリューションの開発。それぞれの業務に対応した適切なソリューションと組み合わせなければ、Pocket@iを導入する企業はなかなか出てこないだろう。NECインフロンティアもソリューション重視の姿勢だが、「NECインフロンティアですべてをそろえるパワーはない」(斉藤氏)というのが実情。
そのためPocket@iはOSにWindows CE.NETを採用し、Javaもサポートするなどソリューション開発をしやすい環境を整えた。さらにNECインフロンティアはNEC内部を含めて、販売代理店やソフトベンダ、システム・インテグレータ向けに説明会を開催してソリューション開発を促す考えだ。
(垣内郁栄)
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