マーキュリー、新戦略で製品を統合へ
2002/11/15
マーキュリー・インタラクティブ・ジャパンは同社製品を、新しい製品ファミリ「Optane」(オプテイン)として再編成すると発表した。再編成されるのは、マーキュリーがこれまで販売してきた負荷テストツール「LoadRunner」や、運用・パフォーマンス管理ツールの「Topaz」など。BTO(ビジネス・テクノロジ・オプティマイゼーション:ビジネスとテクノロジの最適化)という新しい戦略に基づき統合する。
米マーキュリー・インタラクティブの会長兼社長兼CEO アムノン・ランダン氏 |
Optaneはマーキュリーの新戦略を実現する製品ファミリだが、既存の製品を新しいブランドに再編成しただけで、ユーザーが利用できるツール自体は当面は変わらない。米マーキュリー・インタラクティブの会長兼社長兼CEO アムノン・ランダン(Amnon Landan)氏はOptaneについて、「ただ製品をまとめるだけでなく、情報を統合してテスト、配備などを共有することを目標にしている」と説明。Optaneに対応する新機能を追加したツールは来年初めに米国で投入し、日本では米国投入後6カ月以内に出荷する予定だ。
米マーキュリーのコーポレート・マーケティング担当副社長 ジョン・ブルッゲマン(John Bruggeman)氏によると、マーキュリーが新戦略の柱にするBTOとは「経営目標に合わせてITのパフォーマンスを最適化し、企業システムの価値を最大限まで引き出す新たなビジネス戦略」。企業のITを活用したビジネスプロセスの中には、システムの開発期や、実稼働直前の配備段階、システム稼働後の運用段階などに業務を停滞させるボトルネックやリスクがある。BTOに基づき開発されるOptaneは、システム運用までのビジネスプロセスを1つのアプリケーションのサイクルとしてとらえ、最適化する。
マーキュリーのツールは従来、アプリケーションのテスト、配備、運用という各段階ごとにパフォーマンスの最適化などを行ってきた。だが、Optaneでは各段階でスクリプトを共通利用できるようにして、システムを1つの品質管理の基準で測定できるようにするという。
ランダン氏はBTOについて「ITビジネスの価値を高め、成長を促す。日本はマーキュリーにとって一番成長が期待できる市場だ」と述べ、製品への期待をにじませた。ブルッゲマン氏も「BTOという概念はERPやCRMよりも重要性が高い」と語った。「BTOは米国で急速に高まりつつあるムーブメント」とマーキュリーは指摘しているが、日本でも定着するかどうか。来年に登場するマーキュリーの新製品が注目を集めそうだ。
(垣内郁栄)
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