FM東京やNECなどが無料のネットテレビ放送
2002/11/20
エフエム東京とNEC、エフエム東京、NTT東、西日本などが出資するティーエフエム・インタラクティブは共同してブロードバンド向けの放送サービス「iiVチャンネル」を11月18日に始めたと発表した。NECが運営するビッグローブのほかに、メガコンソーシアムに参加しているKDDI、日本テレコム、松下電器産業、トーカイ・ブロードバンド・コミュニケーションズが運営する各プロバイダ向けに配信する。
iiVチャンネルはエフエム東京などが制作するコンテンツを24時間配信する。音楽番組やニュース、米国の映画情報などを用意。ユーザーは無料で見ることができる。ライブ放送が中心で、テレビやラジオのように1日のスケジュールがあらかじめ決まっている。オンデマンドで映画などのコンテンツを有償配信することも考えている。将来的には認証をかける方針だが、現在はメガコンソーシアムに参加するプロバイダのサイトで自由に見ることができる。閲覧するにはADSLなどのブロードバンド回線が必要。メガコンソーシアムに参加するプロバイダの会員数の総計は1000万人を超え、視聴者はテレビ放送並みに多くなる可能性もある。
エフエム東京の代表取締役社長 後藤亘氏。「ブロードバンド放送を価値あるメディアとして発展させて行きたい」と述べた |
iiVチャンネルはテレビ放送と同様にCMを流すことで収入を得るビジネスモデル。iiVチャンネルのCMについてティーエフエムの代表取締役社長 池田実氏は「1つのコンテンツに対して、80万から100万のアクセスがあれば、在京テレビ局の下位局と同じくらいの媒体価値がある」と説明。エフエム東京の代表取締役社長 後藤亘氏はブロードバンド放送について「1000億円の規模になる」と予測した。
ブロードバンドを使った映像コンテンツの配信はソフトバンクグループがセットトップボックスを使ってテレビで見ることができる新サービス「BBケーブルTV」を発表したばかり。東京放送、フジテレビ、テレビ朝日も過去のテレビドラマなどをパソコン向けに配信するサービス「トレソーラ」を行っている。ブロードバンド放送は、テレビ局やラジオ局のようにコンテンツを豊富に持つ企業が有利だろう。加えて、ブロードバンドだけにしかできない独自コンテンツや新サービスがあれば普及が進む。エフエム東京やNECは自社制作のコンテンツにこだわらず、パートナーを増やし、コンテンツを充実させる考え。来年はブロードバンド放送間のコンテンツ争奪、ユーザー獲得が激しくなりそうだ。
(垣内郁栄)
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