日本SGI、日立、ブロケード3社連合のストレージ・グリッド戦略
2002/12/11
日本SGIの和泉法夫社長 |
日本SGIと日立製作所、ブロケード コミュニケーションズ システムズは11月10日、国内初のターンキー・ストレージシステム「SGI Server
S600」を製品化し、販売を行うと発表した。この協業は日本国内だけの取り組み。日本SGIが主要顧客とする研究開発機関、放送業界、テレコミュニケーション業界へのチャネル獲得を狙う日立と、インテグレーションビジネスの加速を狙うSGI、市場拡大を指向するブロケードの思惑が一致したという背景がある。日本SGIの和泉法夫社長は「この協業が成功すれば、米国本社へも波及させていきたい」と話す。
「SGI Server S600」は、マルチベンダ環境で共有ファイルのアクセスを実現するSGIのクラスタ型ファイル共有ソフトウェア「SGI
CXFS(Clustered eXtended File System)」を中核に、「SGI Origin 300サーバ」、日立の「SANRISE9500V」シリーズ、ブロケードの「SilkWorm」シリーズを1ラックに統合したSANシステム。日本SGIは、異機種コンピュータ間における大容量データの共有を、構内SANだけではなく、広域SANでも実現するストレージ・グリッドの構築を目指している。
日本SGIと日立は2001年11月に、国内における日立製ストレージの販売提携を結んでいる。今回は「協業」という形でSANソリューションの構築にまで踏み込んだ形だ。
国内のストレージ市場には、EMCと日立の2強という構図がある。2002年4月にはEMCが日立を特許侵害で提訴、その後、日立が逆提訴するという対立関係が続いている。訴訟の行方はいまだ予想がつかないが、日立はIBMやHP、ユニシスなどの大手ハードベンダとの積極的な提携戦略を推進しており、SGIとの提携もその戦略を果敢に展開していこうとの意思の表れである。国内で独自の協業体勢を敷き、販売チャネルの拡大を行うことで、「強敵」EMCを引き離そうとする意図がみえる。
(編集局 谷古宇浩司)
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