ベリタスの新製品でWindows向けバックアップ市場が激戦に

2003/1/24

 ベリタスソフトウェアはWindowsサーバ向けのバックアップ、リストアツール「VERITAS Backup Exec 9.0 for Windows Servers」を2月10日に出荷すると発表した。マイクロソフトのExchange Serverへの対応を強化したことと、Windows Server 2003のストレージ管理機能をサポートするのが特徴。ベリタスのライバル、コンピュータ・アソシエイツは同様のWindowsサーバ向けのバックアップツールを1月15日に発表したばかり。マイクロソフトがWindows Server 2003を発売する予定の4月を前にバックアップ市場が盛り上がってきた。

米ベリタスソフトウェアのエグゼクティブ バイスプレジデント ポール・サラベリー氏

 VERITAS Backup Exec 9.0 for Windows Serversは前バージョンの8.6に比べ、Exchange Server向けの機能を向上させた。米ベリタスソフトウェアのエグゼクティブ バイスプレジデント ポール・サラベリー(Paul A. Sallaberry)氏によると「メールボックスごとに増分、差分をバックアップすることで、処理速度を8.6から最大88%向上させた」という。Pubilicフォルダや添付書類を個別のメールボックスごとに復旧することも可能にした。

 マイクロソフトのWindows Server 2003が持つストレージ管理機能との連携もBackup Exec 9.0の特徴。Windows Server 2003に搭載される「Volume Shadow Copy Service」(VSS)をサポート。VSSと連携することでシステムの完全なバックアップが可能だという。ベリタスとマイクロソフトが共同開発して、Windows Server 2003とWindows XP Professionalに搭載される「Automated System Recovery」(ASR:自動システムリカバリ)にも対応する。

 管理コンソールには、Webベースのインターフェイスを新たに採用した。Webベースにすることで、どのPCからでもインターネット経由でBackup Exec 9.0にアクセスして、リモートによる監視と管理を可能にした。また、Backup Exec 9.0はインストールプログラムを再設計し、簡単な操作で導入できるようにした。サラベリー氏は「パッケージ未開封の状態からバックアップ開始まで10分で可能だ」と説明した。

 Backup Exec 9.0は1つのエディションでWindows NT 4.0から2000、Windows Server 2003ファミリをサポートする。価格は13万2000円となっている。

 バックアップ、リカバリソフトは特に中小企業で需要が高まっているといわれ、各ベンダが力を入れている。1月15日にはCAが中小企業をターゲットにしたWindowsサーバ向けのバックアップソフトを発表。ベリタスのBackup Exec 9.0と真っ向からぶつかる格好だ。ベリタスの代表取締役社長 上村美喜男氏はライバル企業について「重要な点は知名度を上げること。ベリタスがシェアを順調に伸ばしているのに対して、他社は停滞している。年内か、2004年中にはシェアでトップに立ちたい」と対抗心を表した。ベリタスは販売パートナーや、デルコンピュータなどOEMパートナーとの協業を強めて、シェアアップを図る考え。近くパートナー向けの資格認定プログラム「ベリタス・サーティファイド」を新設するという。

(垣内郁栄)

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ベリタスソフトウェアの発表資料

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