Domino、WebSphereと統合!
2003/1/25
Dennis Callaghan
IBMのLotus
Software事業部は1月27日から開催するLotusphereカンファレンスで、WebサービスとしてDominoのコンポーネントをほかのアプリケーションに組み込めるようにする2つの構想を明らかにする。
マサチューセッツ州ケンブリッジのロータスに近い情報筋によると、同社のContextual Collaboration構想はDominoとWebSphereの開発環境を統合していくという。
「Project Montreal」というコード名を持つ最初の構想は、DominoのクラスをオープンソースのJava統合開発環境であるEclipse2がベースとなるIBMのWSAD(WebSphere
Studio Application Developer)ツールキットに追加する。これにより、Domino以外のデベロッパでもコラボレーション・アプリケーションをWebサービスとして開発できるようになる。また、WebSphereのデベロッパは使い慣れた開発環境を使い続けながら、WebSphereとDominoのアプリケーション統合も実現できるようになる。
そして、「Project Seoul」というコード名を持つ2番目の構想の方はさらに野心的だと思われる。これはDominoのデベロッパがDominoの開発環境で作業を継続できるようにしながら、J2EEコンポーネントとしてコードを出力し、これをDomino以外のJ2EEベースのアプリケーションに組み込めるようにしてくれる。
Dominoのデベロッパで、ニューハンプシャー州ナシュアにあるRHS Consultingの社長、Richard Schwartz氏は「既存のDomino技術の上に、状況に対応したコラボレーション環境を構築するというゴールに向けた賢明な処置だと思う」と語った。
これまでのDominoとWebSphereの連携に対して、DominoデベロッパはIBMがDomino(特にNotesクライアント)を切り捨ててWebSphere中心に進めるのでは?
との危惧を抱いてきた。メイン州カンバーランドにあるIBMおよびLotusのビジネスパートナー、Northern Collaborative
Technologies社長でDominoデベロッパのAndrew Pollack氏によると、このような危惧の多くは杞憂(きゆう)だったともらす。Pollack氏は「IBMはこれらの処置によって数年後を見据え、今後10年、そして20年間、高いマーケットシェアを確実に維持しようとしているのだと思う」(Pollack氏)と話す。
さらに、「すべてのITマネージャとデベロッパが決して忘れてはならないことがある。Notesが明確なフラグシップ製品となってからもロータスがcc:Mailのサポートを10年間継続したこと、OS/2
Warpが市場にほぼ完全に見捨てられても重要な顧客が引き続き使用していたことで、IBMが完全サポートを数年間継続したことだ」(Pollack氏)とIBMの姿勢に対し、肯定的な意見を述べた。
Pollack氏は、Domino(Notesクライアントを含む)はOS/2と異なり、フォーチュン500にランクインする企業の大半が使用しており、IBMがこれを切り捨てることは考えにくく、非現実的な行為だと認識しているそうだ。
「IBMやロータスがマイクロソフトのようなビジネスを展開していたら恐ろしい状況になっただろう。サーバの大規模な入れ替え、ライセンスの購入などなど。最も恐ろしいのは、大がかりな移行作業が伴うActive
Directoryへのアップグレードだ。Exchangeは、Active Directoryのアップグレードを行わないと、新バージョンに切り替えられないという。IBMとロータスがこれまでユーザーにアップグレードを強制したことはない」(Pollack氏)。
ロータスの関係者はこれらの構想の詳細に関するコメントを控えているものの、「Montreal」と「Seoul」がフロリダ州オーランドのLotusphereで行うDomino開発環境とWebSphereおよびJavaとの統合に関連した製品発表に向けた社内コードであることは認めている。
関係者によると、Lotusphereで発表される大半の製品が年内に発売されるという。
[英文記事]
IBM Brings Domino and WebSphere Closer Together
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