「熱い思いを込めた」、CAのUNIX向けバックアップツール

2003/1/29

 コンピュータ・アソシエイツは日本で独自開発したUNIXサーバ向けのバックアップツール「BrightStor ARCserve Backup v9 for UNIX」(以下、BrightStor for UNIX)を2月14日に受注を開始すると発表した。エントリ、ミドルレベルのUNIXサーバ向け。価格を抑えることで中小企業が導入しやすいようにした。

 BrightStor for UNIXは、日本市場を重視するというCAの新しい戦略を反映させた製品。CAの代表取締役社長 三ッ森隆司氏は「CAは外資系ベンダで、柔軟性がないというイメージがあった」としたうえで、「顧客の声をしっかり聞いてCA全体で日本市場にアプローチしたい。ストレージに熱い思いを込める」と本格展開を説明した。CAでは1月15日にもエントリ、ミドルレベルのWindowsサーバ向けバックアップツールを発表していて、日本市場での販売展開を加速させている。BrightStor for UNIXの販売目標は、発売初年度に10億円。

 BrightStor for UNIXの特徴は各アプリケーションのバックアップ用エージェントを同梱していて、オールインワンパッケージになっている点。従来の製品のように利用するアプリケーションに合わせてエージェントを別に購入する必要がない。価格は49万5000円で、CAの大規模サーバ向けバックアップツール「BrightStor Enterprise Backup」の半額以下だという。

米CAのシニア・バイス・プレジデント BrightStorソリューションのフランク・ヤング氏

 バックアップ可能なプラットフォームは、Solaris(SPARC)7、8と、HP-UX 11.0、AIX 4.3.3、5L 5.1。アプリケーションはOracle 8i R8.1.7とOracle 9i R9.0.1、Domino R5.0.10に対応する。Oracle、Dominoではシステムを稼働させたままのオンラインバックアップ機能が標準で利用できる。災害などの突発事故でサーバが破壊された場合に、対話型スクリプトによる簡単な操作で確実にデータを復元する「ディザスタリカバリ機能」もある。インターフェイスは日本で開発しただけにすべてが日本語化されている。

 CAは日本市場でストレージ、セキュリティ、エンタープライズマネジメントの各分野に特に力を入れる方針。米CAのシニア・バイス・プレジデント BrightStorソリューションのフランク・ヤング(Frank Yang)氏は、世界のストレージ市場について「2002年のストレージ市場はほとんど成長しなかった。2003年も5%未満の成長になりそうだ」と予想。一方で、「必要となるストレージ容量は30〜40%の伸びだ」と指摘し、「ストレージの効率性が一番の課題。効率性を高める分野でCAはリーダーになりたい」と述べた。

(垣内郁栄)

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コンピュータ・アソシエイツの発表資料

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