サーバ向けインターフェイス、合言葉はシリアル化

2003/3/5

「Intel Developer Forum Spring 2003」の会場となった米国サンノゼのSan Jose Convention Center

 インテルが主催する開発者向けカンファレンス「Intel Developer Forum Spring 2003」が、米国サンノゼのSan Jose Convention Centerにおいて開催された。

 今回のIDFで大きな発表はなかったが、さまざまな分野の製品情報が公表され、今後の指針が示された。サーバ分野でも2004年以降のロードマップが紹介された。

 例えば、インテルが製品化を進めている90nmプロセスを用いたサーバ向けCPU群「Nocona(コード名:ノコナ、Xeonプロセッサの後継)」「Potomac」(コード名:ポトマック、マルチプロセッサ向けXeonプロセッサの後継)は、2003年第4四半期から順次登場することになる。なお、これらの製品出荷前には、既存製品の2次キャッシュ容量を増やした上位版が出荷される予定だ。

 徐々に対応アプケーションや導入事例を増やしつつあるItanium 2の今後のロードマップも紹介された。「Deerfield(コード名:ディアフィールド)」と呼ばれていた廉価版Itanium 2は、「Low Voltage Itanium 2」として2003年後半にリリースが予定されている。同製品の特徴は、通常のItanium 2に比べ低電圧で動作する以外に、キャッシュ容量とマルチプロセッサ動作(デュアルのみ)に制限が加わったものである。2005年には、Itanium 2に90nmプロセスを採用した「Montecito(コード名:モンテシート)」が登場する。が、それまではクロック周波数とキャッシュ容量をアップした既存製品の上位版がリリースされることになる。

 今回、サーバ分野で注目したいのはCPUよりも周辺インターフェイスである。インテルのプレゼンテーションで示されたのは、「すべてのI/Oインターフェイスでシリアル化が進む」ということだ。現在、I/Oインターフェイスではいくつかのレガシーな技術が利用され続けているが、2004年以降から順次新しいシリアル・インターフェイスへと移行していくことが示されていた()。

基調講演で紹介されたサーバ向けインターフェイスのロードマップ

 ディスクとPCとを接続するインターフェイスであるSCSIとATAには、それぞれ「SAS(Serial Attached SCSI)」と「SATA(Serial ATA)」というシリアル・ベースの後継規格がある。また、サーバなどで採用されているPCI-Xも、「PCI Express」という後継規格の登場が控えている。特にPCI Expressは、サーバ以外のデスクトップPCやノートPCなどのフォームファクタも検討されており、最も注目したい技術の1つだといえる。

 これらの技術と対照的に扱われていたのが「InfiniBand」だ。近・中距離を結ぶ万能な高速インターフェイスとして注目を浴びていた同技術だが、周辺技術の進化の波に押され、徐々に対象分野が狭まっている。現在では、クラスタリングなどでノード間を高速接続するインターリンクでの使用が想定されているだけだ。もともとベンダ独自の技術が利用されていた分野でもあり、Infinibandの登場によってクラスタを実現する際のコスト低減につながる可能性はあるだろう。しかし、ロードマップによるとInfiniBandを待っているのは、10GbE(10ギガビット・イーサネット)へのリプレイスというものである。

(鈴木淳也)

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米インテル

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