中小企業のパラダイムシフトを実現させる新資格

2003/3/15

eBPフォーラム 運営委員長の小山仁氏

 「ITコーディネータには疑問がある」と語ったのは、グローバル ナレッジ ネットワーク顧問で、eBPフォーラム 運営委員長を務める小山仁氏。この言葉は、何もITコーディネータの資格を否定しようというものではなく、ITコーディネータだけでは中小企業などでのビジネスのIT化を推進するのは難しいということだ。

 eBPフォーラムが主催する「eBP FORUM Vol.2 成功するIT戦略のための人材育成」と題する講演で、小山氏が強調するのは、今後日本で重要になるのは、中小企業におけるビジネスのIT化だ。ITを取り入れ、どれだけビジネスを変えていくのか。小山氏はこれを「中小企業をどうパラダイムシフトさせていけばいいのか。これが課題となっている」と表現する。

 ITコーディネータは、企業の外部からITをどう利用すればいいのか、「その計画を作り、展開させることが求められる」。しかし、実際にそれを実行に移す人材が「社内に必要だ」と述べる。

 eBPフォーラムが今回発表したeビジネスプロデューサー(eBP)とは、こうした企業の中で、実際にITとビジネスを両軸に、プロジェクトをまわし、実行に移せる人材を育成し、支援するための資格。

 実際の資格には、下からeBPジュニア、eBPブロンズ、eBPシルバー、そしてeBPゴールドの4段階ある。このうち、ジュニアとブロンズは指定された講座の受講のみで、シルバーは講座受講のほか、実務レポートの提出(1件)が課せられる。さらにゴールドでは、実務レポートの提出が3件になり、面接が必須となる。なお、ブロンズ以上の資格を取得したい場合は、あらかじめCompTIAの「e-Biz+」に合格している必要がある。

 3月にジュニアの資格がスタートし、その後6月以降にブロンズ以上の資格もスタートする予定だという。

 多くのベンダが中小企業へのITソリューション、製品の浸透を狙っているが、現在のところどのベンダも大成功とまではいっていない。それを、人材という側面から中小企業のビジネスのIT化を浸透させようというこのもくろみは、果たしてうまくいくだろうか。

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eBPフォーラムの発表資料

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